Lacryma

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1/11/2026, 3:14:54 PM

外はすごい大雪で睫毛の先にまで積もるほどだ

白く凍てつく空気に体の末端が酷く痛む

けれど私はベンチに座ったまま動けないでいた

なぜなら今日は大切な約束の日だったからだ

数日前、私はあの人に想いを告げた

そしてこの気持ちに応えてくれるなら

今日この日、この花園に来てほしいと

私はいつまででも待つつもりだった

もしかしたら来てくれるんじゃないかって

少しの期待と不安を抱いて寒さなんて感じなかった

あたりは次第に暗くなっていく

この場にいるのはひとりだけ

もうとっくにわかっていた

無駄だとわかっているのに足が動かなくて

寒さが身に染みて、心まで凍ってしまったように

12/27/2025, 8:12:58 PM

大好きな貴方の視線の先には

いつも青いドレスを着たあの人がいた

美しく儚げで目を離したら消えてしまいそうで

私がどれだけ可愛らしい衣装を着て

どれだけ貴方にアピールしても

あの人に与えられた愛の一欠片さえ

私に注がれることはない

ふと顔をあげると目に入るのは凍てつく鏡

そこに映るばかみたいに着飾った自身の姿

なんて醜いんだろう

あの人に勝てるはずがない

私は瞬間的に鏡を叩き割って

バルコニーに飛び出して月を見上げた

私にとってあの人はまさに月のような存在

あんなにはっきりと光り輝いて見えるのに

手を伸ばしても、決して届くことはないの

あの人に恋をした貴方の心も

決して私のものにはできないの

12/14/2025, 4:02:08 PM

闇が辺りを包む頃、空は美しい輝きに包まれる

ある人はこの地を"願いの揺り籠"と呼んだ

新月の夜、もっとも強い願いを夜空に祈れば

自らの命を代償にそれは現実になるのだと

古くから語り継がれているからだった

この言い伝えを信じる者はもういない

そんなのは非現実的だと誰もが言う

だけど私は、この言い伝えに縋っている

どうしても助けたい人がいるのだ

その人はいつだって私を肯定してくれた

私の存在は無価値なものではないと

自分には太陽のように輝かしいと言ってくれた

そんな貴方は眠りについたまま

いつしか目を覚まさなくなった

だから私は月の隠れた夜空に祈る

暗い世界に閉じ込められた貴方を

陽だまりへ呼び戻す道標、一番星になるために

12/11/2025, 7:10:44 AM

私はどうやらここまでのようだ

直に炎がこの身を包み

痛みに悶え苦しみながら人生を終えるだろう

私を糾弾したのは心から愛した人だった

最後に笑顔を見たのはたった数日前

永遠の幸せを願って綺麗な花束を贈った

貴方は涙ぐんでお礼を言って私を抱きしめた

ずっと私を愛してくれると言ったのに

信じた矢先このザマか

罠にかかった私が馬鹿だったというわけだ

煙で視界が鈍る中

瞳に映るのは、悔しそうに唇を噛み

大粒の涙を溢す貴方の姿

どうしてそんな顔ができるのか

問いただすことももうできない

体温にしては熱すぎる劫火の温度を感じながら

貴方とのぬくもりの記憶を偲んで眠る

11/15/2025, 3:58:49 PM

「この戦いで私は命を落とすことになるだろう」

長閑に揺れる木陰の静けさの中

貴方の言葉に、私は絶望に突き落とされた

どうして、なんて聞くまでもない

花の国である私たちの王国が

猛炎を司る火の王国に敗北することは明らかだった

「怖くないのですか」

その場を繋ぎ止めるだけの言葉が宙を舞う

貴方は優しく私を抱き寄せ穏やかに答える

「怖い。ただ貴女と会えなくなることが

どのような苦しみ、死よりも恐ろしい」

視界が滲み悲しみで心が壊れそうになる

けれどその瞳を見つめ、いつものように微笑んだ

「ずっと貴方を愛しています。次の人生でもきっと

二人で幸せな最期を迎えましょう」

貴方は静かに目を閉じて、私の言葉に頷いた

きっと悲しむことなんて何もない

木漏れ日の跡に続く光は二人の誓いを知っている

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