Lacryma

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10/8/2024, 12:07:21 PM

ここまで休まず歩みを進めてきた

その反動か、視界が不安定になり体も重い

私は馬から荷を下ろし

束の間の休息を取ることにした

こんなことをしている暇はないのに

早く貴方を迎えに行かなければならないのに

考えれば考えるほど意識が朦朧として

気づけば東の空から光が射し込んでいた

眠ってしまっていたのか

休んでいる暇ない

闇に攫われた貴方を

救いに行かなければならないのだから

貴方がいつも私を守ってくれたように

今度は私も貴方を助けたい

私は薄れゆく記憶を手繰り寄せ

彼方に向かって再び歩き始めた

10/7/2024, 7:02:35 PM

貧困に耐えかねた国民は革命軍を形成し

己の仇とばかりに城に攻め入った

私もその一派として参加した

王族を吊し上げるためではない

私は許されざる恋をした

その相手を助けるためにここにいる

しかし、この体はもう使いものにならないだろう

せめて最期に

たった数秒間の悪あがきをしよう

私は喉に力を込めて叫んだ

「ここだ、王女はここにいる!」

大勢の足音が近づいてくる

この嘘はすぐに気づかれ

私の身は正義の刃に貫かれるだろう

それで構わない

彼女は私に生きる理由をくれた

たとえ業火に焼かれようと

私は最期まで幸せだった

10/6/2024, 4:36:35 PM

ふとした瞬間に貴女との記憶を反芻している

あの時、どうして貴女は綺麗だと

貴女を想っていると言えなかったのだろう

もし何か、たった一言でも何か言えていたら

貴女は今も私の隣にいてくれたのだろうか

もうどうすることもできないのに

貴女は遠くへいってしまったのに

こんなふうに過ぎた日を想っていると知ったら

貴女はいつもみたいに笑ってくれたのだろうか

10/5/2024, 8:26:27 PM

北に浮かぶ道標と星が紡ぐ物語を話して

夜も星も君の味方だと、貴方は言ってくれた

それなのに、どうして

あの空の光の中に、貴方はいるというの?

そうであれば

見えるのに

そこにいるのに

どうして貴方と話すことも

触れることもできないの?

夜の寂しさを安らぎに変えてくれたのは貴方なのに

どうして私をおいていってしまったの