まあまあな夜更けに
とてもとても会いたくて
『来ちゃった』…をしてしまった事が
あるのだけれど、
あれはドラマとかマンガに任せるものだと
2回とも思った(1度で反省出来ていなかった)。
人にもよるのだろうけど、私が訪ねた一人暮らしの男性は二人とも
ゴミと共同生活しており、
私が部屋に入れてもらえるまでに
(玄関から)小一時間はかかり
「やっぱり帰るわ」と何回も声をかけた。「連絡くれたら片付けといたんだけどさ」と黙々とゴミ袋に色々放り込んでいくのだけど、
予め連絡を入れておくと
『来ちゃった』のドキドキ感がなくなるので、本末転倒なのである。
そして、とりあえずスペースを作ってくれ、飲み物を出してくれるのだけど、余りに周りが不衛生すぎて、会いたかったはずの恋人が近くに来ると
「おっと」と思う。服、毛玉だらけだし…クッション埃が…
果たして彼等は『突然の君の訪問』を歓迎したのだろうか?
君の訪問を夢見る人と
君の訪問に困惑した人の話が楽しみだ。
#突然の君の訪問
もうすぐ恋人がやって来る。
日曜日の午前中。その後、一緒にお昼を食べる。毎週の決まり事。
だけど、今日で最後。ということを彼は知らない。
普通に「あ~暑い暑い」と言って椅子に座り、麦茶をごくごく飲むのだろう。
喧嘩をしたわけでも、嫌いになったわけでもない。
事故に巻き込まれ行方不明になっていた前の彼から連絡があったのだ。
天秤にかけられない。どちらも大切な人。待てなかった私が悪いのか。
でも、1人で待つには辛すぎる出来事が続いた。
悩みに悩んで、どちらとも会わない選択をした。
自分を二つに割ることが出来たらと、往生際の悪い事を考えたりしたが、どうしようもない。
「いつもより早くつきそう😉」
LINEが来た。あぁ、やるせない。
#やるせない気持ち
私には家出癖がある。
最初に家出したのは小学校5年生の秋。
家出は大抵は家族と揉め事があってするものなのだろうけど、私の場合はそうではなく、『ここではない何処か』
へ無性に行きたくなる衝動に駆られるのだ。
大人になって、働く様になっても、母親になってからもそれはあり、
一人旅とも全く別のもので、ふと、電車に乗る所から始まる。
小学校5年生の時の行き先は祖父母の家のある小さな島で、電車を乗り継ぎ船に乗って行った。書道教室へ行く途中でふと行きたくなったのだ。結果、家族以外の人にも心配をかけてしまったのだけれど、あの何とも言えない解放感を何度となく繰り返している。
ただ、周りに心配をかけては行けないので、気付かれない時間内に帰るようにするようになったが、いつも海へ行き、砂浜に座り、ただ波を見ている。
夜中に家を抜け出し、朝日が昇るのを見て帰って来たこともあった。
海がそんなに好きなのかと言われると、そうでもなく、家出以外の時に海へ行く事はなく、休日や旅行でも海へ行く事はなく、どこか街か自然の中なら山か森を選ぶ。
潮に導かれているのかもしれない。
#海へ
笑いながら「もう、大っ嫌い」
と言うのは私の中の最上級の
愛情表現
#裏返し
日々、人として自分に足りていないものを痛感しながら生きている。
周りの支えがあるから辛うじて歩めているこの人生。
庭の雑草を啄みに訪れる鳥を見るとふと思う。私が鳥だったならば、飛べない鳥だったのだろうと。他の鳥達が空を飛ぶ姿をどんな気持ちで眺めたのだろうか。
そんな事を考えながら翼を痛めた鳥のように今夜も眠りにつく。
#鳥のように