梨。
梨が一番。
フルーツの中で梨が一番。
梨以外に興味なし。
そんな意見に異論なし。
梨好きに二言なし。
秋のフルーツは、これしか梨。
農家の売上に加担、これ他なし。
梨なし生活に私なし。
なし。nothing。
Don't worry、絶対うまい 。
秋冬春夏、飽きがなし。
その甘味と水分、
かける言葉もなし。
梨しかなし。
14[梨]
愛する、それ故に、
諍いが生じる。
私達はプレートだ。
男というプレートと女というプレート。
どちらも引き合い押しあっている。
ある日どちらかが反発する。
そして起こるのが地震。
ここで歪んだ仲はだんだん元に戻らなくなっていき、
やがて地割れが来るだろう。
愛する、それ故に、
生きる。
生と死は交わり、
恵みと厄災は紙一重。
愚かな小惑星は天の川で巡り合い、
アダムとイブと恋に落ちる。
それができなければ、
広い宇宙の中、静かに爆散するだけだ。
愛する、それ故に、
人は死ぬ
13[愛する、それ故に]
やまない塩味、止まらない脳汁。
今日だけだから。
今日だけだから。
お母さん、
どうか私のチートデイ、
奪わないで。
袋を開けた瞬間、
どんな香水にも勝る匂いが私を抱く。
1枚だけでもたくましい、
この質感。
プレスされた海老がアクセサリーのように輝く。
これだ。
1枚食べれば、はじまりはじまり。
気づけば袋は空っぽ。
私のお腹はさぞかし満腹だろう。
想像するだけで,,,
これが私の、待ちに待ったチートデイだ。
やめられない、とまらない。
今日だけ許してくれ。
かっぱえびせん。
12[今日だけ許して]
私は美術が嫌い、芸術が嫌い。
でもアートは好き。
美術は「自分」を否定するから。
芸術は「人」を批判するから。
芸術や美術には画風というものがある。
例えば綺麗なお空を描きたいとする。
お空は青でなくちゃいけない。
黄色い空は空として見られず、
その人の目で図られる、縛られるんだ。
それに気付いたのは中学に入ってから。
あれだけ好きだったイラストが嫌いになった。
幼稚園児のお絵かきだねと授業ではよく言われた。
アートはそんな私を褒めてくれる。
虹色はあると言ってくれる。
お絵かきだろうと何だろうと、
絵は平等なんだ。
お金や地位や商品価値でしか見れない人達は、
よっぽど夢物語だと思う。
だから、世界をモノクロで測ることにした。
白黒はっきりつけた。
目が覚めたって感じ。
かわいいパンダだねと這い寄りスマホを向ける人達には正直軽蔑する。
柵を設けたんだ。
今は色を文字に置き換えて、
こうやって何にも縛られず物書きをしている。
いつかこのモノクロの世界に綺麗な私色をぶちまける日を夢見ながら。
11[モノクロ]
涙の理由を語らない。
だから何も言わずに寄り添って。
目から水が落ちるのは、溢れちゃってるから。
悲しみが溢れて洪水みたく溺死しそう。
どうか見逃さないで。見過ごさないで。
人の涙はワンパターン。温もりがほしいの。
側にいてほしい。
理由は語らない。
言葉にできたら泣いてない。
そこにいてくれるあなたが、
何よりも答えだから。
10[涙の理由]