「あたたかいね」
あたたかいね。窓際で日向ぼっこしてるの
おざぶの上でアンモニャイトになって日向ぼっこ。
「あの夢の続きを」
きょうだい達の一匹に邪魔されて途中で目が覚めちゃった
少しカリカリ食べてまたあの夢の続きを見るの
「未来への鍵」
未来への鍵は自分で作って 自分で開けるモノ?
未来への鍵は誰かに作って貰い 誰かに開けて貰うモノ?
未来への鍵は何処かにあって 自分で探し出して開けるモノ?
未来への鍵は何処かにあって 誰かに探して貰い開けて貰うモノ?
未来への鍵は…きっと彼方の果てにあるだろうし
未来への鍵は…きっと身近にあるだろうし
未来への鍵は気付かない内に存在して
未来への鍵は気付かない内に紛失して
いつ鍵が自分の手元に来るのかは
自分がいつ鍵の存在を知るのかは
ちょっと先の先の先かもしれない
「星のかけら」
ポリポリ
昼下がりのオフィス内に何かを噛み砕く音が聞こえた
噛む音の原因は馳部さんだ。
「…うん…まぁまぁかな」
馳部さんの机には小さな小瓶が複数一列に並んでいた。
小瓶の中にはピンク色、水色、黄色、赤色、白色
その正体は
「アンタも食べる?金平糖」
小さな星の欠片を模している砂糖菓子の金平糖だ。
「どうしたんですか?この金平糖」
机の上に並べられた複数の金平糖たち。
瓶の底を1つ1つ見るとメーカーがバラバラだった。
「食べ比べと小さなトゲ探し。完璧なトゲをしている金平糖が見たくてさ、店で販売されている金平糖とネット通販の金平糖を幾つか買ってるんだけど」
「それで?味の方とトゲの方は?」
「味はまぁまぁかな?けどトゲは難しい。ほとんどが未熟。
味はまぁまぁ。トゲはまぁまぁじゃない」
馳部さんはポリポリと小さな噛む砕く音を出しながら、
また一粒取り出し小さなトゲを見つめ小さく溜め息を付いた。
「星の数程…果てしない?」
僕は水色の金平糖三粒を噛み砕いたのだった。
「追い風」
寂れた町の倉庫に歴史から忘れ去られた飛行機と
この町にただ一人で住む少女と犬がいました
少女は一人で飛行機を修理しては
町に吹いてくる追い風を読み
飛行機を飛ばそうと企んでは失敗の連続をしていました。
「…大丈夫。残された資料と私の祖父直伝の修理方法で修理したんだから
きっと飛ばせる。飛んでみせるよ」
風は気儘に流れて時に牙を向くものだと
彼女は知っている…
その中から吹いてくる追い風を探して
飛行機を飛ばし続けるだろう
「Ring Ring」
ん…?Ring Ring?
ん…?リング リング?
リンリンリン~♪じゃないのか?
「君と一緒に」
馴染みのラーメン屋で
中華そばを啜りながら競馬中継を見る昼下がり
君の左手には割り箸、右手には馬券
君と一緒に中華そばを啜り
競馬中継を見るのも君と一緒のセット