「放課後」(一行詩)
下駄箱に果たし状を投函されていた
◆
誰も居ぬ教室に牛乳パックを飲み出す
◆
誰も居ぬ教室に長い髪の女が佇んでいる
◆
美術室に一人残された黄色の絵の具洗いバケツ
◆
踊り場で天城越えの練習をする
◆
踊り場からはやぶさ/こまちが通過します
「カーテン」(詩/一行詩)
カーテン裏に入り込み日向ぼっこする飼い猫は雄でありながら
カーテンを天蓋に見立てお姫様ごっこをしている
◆
カーテンの裾が横型の本棚に掛かってるのはカーテン裏に潜り込んだ証拠
◆
カーテンの隙間から外を眺めるニャルソックは朝方と夜に発動
「涙の理由」
最近、笑い過ぎて涙が出るようなお笑い番組てないよね。
ドリフ見たいなぁ。バカ殿見たいなぁ。
ドリフターズの皆が揃ってるのを見たいなぁ…。
(世代じゃないけど。カトちゃんとぶーたんしか居なくなっちゃった…寂しいなぁ…)
「束の間の休息」(一行詩)
一刻の無糖珈琲を飲む昼休み
◆
一刻一粒のチロルチョコ
◆
一刻のパイプ椅子で居眠り
◆
一刻の一服してくる紫煙
「力を込めて」
ドガアァンッッ
~♪~テロテロテッテッテーンッ~♪
―只今の記録185ダウン―
変なメロディとともにパンチ力の数字とランキング表が
パネルに表示された。
パネルには185パンチ力で2位のランク表示されている。
「ふむ。前の記録には及ばなかったが、見てくれ。
2位のランクに私の記録が表示されたぞ」
パンチングマシンと云う機械に黒髪を靡かせて
力を込めてパンチを出した先輩の表情は笑顔
その場に居たギャラリーがざわつき始める
「すげぇ…あのネーチャン、185キロあんのかよ」
「リクルート姿であれだけの力出せるて何者なんだ?」
「前の記録185の次にか…」
黒髪でリクルートスーツに身を包んだ先輩の手から放たれた
185と云うパンチ力の数字
「もうちょい上を狙いたいが…まぁ今日はこのぐらいだな。
最高が200か。少し鍛えれば出せるかもしれんな。
どうだ?後輩もやってみるか?」
ギャラリーは僕の方に視線を向けてきた
なんで僕を見るのだろうか…。
「い、いや。僕は遠慮しておきます。」
「そうか。楽しいぞ。機会があればお前も叩き込んでみればいい」
軟弱な僕のパンチ力をこの場でお披露目したら笑い者になるだけだ。
僕と先輩はパンチマシン機から離れた
ギャラリーの一人が先輩の記録を塗り替えようとしたようだけど
声からして失敗したようだ