「無色の世界」
みんな、自分の色が、あるのに
俺だけが色が、無くなってしまった
視線の先には色の無い世界。無色の世界。
「…可笑しいなぁ…途中まで…色が見えてたのになぁ…
何を書いても何を塗っても…色が分からへんのや…。」
「…色が分から無くなったのは、アンタが迷うてるからや。
どんな事でもエェ。色が見付かるまで書き狂い。
迷うたらあかん。迷うことなくなったら、色が戻ってくる。」
俺は寝食忘れて、書き狂い出した。
色はいつ戻るかは不透明。
アァ…色の無い世界は怖いとこやな…
本州に春が過ぎ去るも雪国に春が到着なり
「夢見る心」
夢見る心はブラックホールに投げ棄てました
「神様へ」
歪んだ神様に願いを云った所で何もならない
ただ1つ云えるのは
この歪んだクニはアナタが作ったモノだから
歪んでるんだよと
━神よ、
これがアナタが
望んだクニの姿か?━
「快晴」
パンパンパンッ
空からサンサンと太陽の陽射しが縁側に射している
庭でコインランドリーで洗ってきた
真ん中には小さな池が作られていた小さな布団を
布団叩きで軽くシワを伸ばす
廊下には半ば般若顔の嫁…ではなく…娘が立っていた
「…なんで睨むんだよ…」
「…もう…お嫁にいけない…なんで…庭に干すの…」
「快晴の時にしか布団洗えないし干せないだろ…。
オネショの…」
「云わないでよっ!デリカシーがないわっ!」
娘、だむだむと足音を立てて、2階の自分の部屋に戻る
「お、お嫁にいけない…?うーん…。
せっかくの快晴だからこの気に太陽の陽射しを借りて
ふかふかの布団にした方が良いしと思うんだけどなぁ」
「だから云ったじゃない?
掛け布団やタオルケットは干しても良いけど、
布団はランドリーで洗濯と乾燥機も一緒が良いよて」
一部始終を家政婦は見た如くに見ていた嫁が来る。
「…勿体ないよ。快晴の中で乾燥機掛けるのはさ…。
と云うか布団干しただけで嫁にいけないて…」
「まぁ、頑張って?」
嫁、はにかみながら、僕の肩を叩いた。
5歳児の乙女心の理解は快晴とはいかなかった。