#21『紅茶の香り』
愛用してるパルファムはいわゆる紅茶香水というやつで、FERNANDAのミルクティーコレクション。ブラックティーとバニラで芳醇な香りを纏えば気分も上がる。毎日のように飲むだけじゃない、それぐらい私に紅茶は欠かせない。
どうも彼もこの香りが好きみたいで、2人きりのときはいっぱいギューっとハグしてくれる。甘くて温かくてホッとする。これも絶対欠かせない。
人って嗅覚の情報は1番忘れにくいんだよ。プルースト効果とかあるしね。だから、もっと私のこと考えて、好きになってね?
#20『愛言葉』
大きな目標はあるけれど
やらなきゃいけないことが山積みで
その日その日で精一杯
ホップ・ステップ・ジャンプ
ちょちょいと進めたらいいけれど
泥臭い努力がお似合いみたい
ギリギリの毎日を送る
不器用な女の子だから
朝、鏡の前でこう言うの
おはよう私!今日も可愛い!ってね
さあ、本日も気張っていきましょうか
#19『友達』
男女の友情は成立しないとか
友達以上・恋人未満とか
そんなのどうだっていい
親友に言えないことも話せるし
一緒だと楽しくて、ホッとして、
無言の時間も気まずくない
だからこれからも隣にいさせてほしい
ただお互いにそれだけ
友達以上に信頼してるし
恋人みたいに愛してる
それでも付き合わないのは
そんな肩書に縛られたくないから
そんな言葉で片付けたくないから
色んな思いを踏まえたうえで
君は最高の友達だよ
#18『行かないで』
ライブも盛り上がり、彼と一緒に帰路につく。毎日のようにアタックされて付き合うことになったが早3ヶ月。こうやって送ってくれるし中々イイ奴なんだろう。どう、カッコ良かった?ボクのウインクわかった?とか、なんだかワンちゃんみたい。
「あのベースの子、何君っていうの?」
「ダメだよ、紹介しないからね⁉」
「えー」
素直に言えたら可愛い女の子でいられるのにな。あっという間にお別れの場所で、今日も1人反省。
でも。じゃ、また明日ねー、とヒラヒラ手を振る彼を見て、愛想尽かされたら嫌だな、と思うほどには好きみたいだから。
待って、と背中の服を掴んで止めて、顔をうずめる。ピシリと彼が固まるのがわかる。
「かっこ…よかっ、た。ウインクされてキュンてしちゃったし、目ぇ離せないし、どんどん…好きになっちゃうし、もうどうしてくれんの、バカ」
「……あーーツンデレかぁわいい」
ガバッと抱きしめられて、今度は私が固まってしまう。急にどうしたの。いつもは言えないから。そっかそっかー。ちょと、髪型崩れる。はいはい。
「俺のこと大好きなワケね?」
普段ヘラヘラしてる分、ステージでギターを弾くフロントマンはギャップがヤバ過ぎる。ほら、今だって。ボクが俺になるときは要注意なんだ。
#17『どこまでも続く青い空』
沖合いの島に太陽が沈む
この時期にだけ参道に夕日が差す
光の道のその先には
ただただ海が広がっていて
大潮、干潮、無風
これが揃えば間違いない
かがみの海にポツリと立てば
青だけが私を包むから
一緒に来たの、覚えてる?
こうすれば空に、貴方に近くなるでしょ?
ブルーな気持ちを景色に残して
枯れた自分を脱ぎ去った