10/16/2021, 2:16:22 AM
優しく柔和な眼差しと目が合ったはずなのに
私の心に届く頃には
鋭い眼差しとして
ぽっかりと抉り奪われる
何度奪われ続けただろう
抉りとられた形は
他の誰でもなく
貴女にしか埋められない
その柔和な眼差しが
優しく埋めてくれる
そうしてまた
奪われる
つまり"好き"ってこと
簡単なふた文字
10/14/2021, 4:33:43 AM
つられて
季節外れの花が顔を覗かせるような
純真で爛漫な笑い声
たまには
子供のように我儘を言って
困らせてくれてもいいんだ
その悪戯っぽさと
無邪気さが同居する笑みが免罪符
だけど
辛さを隠す我儘で笑うなら
いっそ我儘に泣いてほしい
これは私の我儘
つまり"好き"ってこと
簡単なふた文字
10/4/2021, 2:16:03 AM
貴女のことは分からないし
まして会いたいなどと思ったことは無かった
偶然に
この目で
貴女を捉えることになるまでは
知らないのだから
この巡り会いが
奇跡だ
偶然だ
いや 運命だと
言葉で表すには些か軽薄で
どうにももどかしくて
出てくるのは感謝と
つまり"好き"ってこと
簡単なふた文字
9/28/2021, 3:46:56 AM
幾度となく通り雨に撫でられる
晴れていたから
傘なんて当分いらなかった
渋々取り出した傘は
穴が空き 雨垂れを弾くことも忘れていた
陽のおかげで
暫し不要だった傘
頬を拭いながら
太陽の暖かさに想いを馳せる
傘の穴から陽が漏れるまで
これで凌ぐのだ
つまり"好き"ってこと
簡単なふた文字
9/27/2021, 2:07:11 AM
どこか
もの悲しげな乾いた空気が漂う秋
少し冷たい風に当たりながら
ふと温度差に気づく
温かさを感じるのは
胸の辺りか
体に当たる風は寂しいけれど
貴女の壊れそうな優しさが刻まれた心の奥は
いつでも温かい
耳が赤いのは
きっと冷たい風に当たったから
つまり"好き"ってこと
簡単なふた文字