はた織

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5/7/2025, 12:49:15 PM

 夕暮れ、
 木造の平屋の中、
 生成の土壁と黄緑の畳、
 開け離れた障子から光る木漏れ日、
 飾りのない壁に映る草木の影、
 壁を撫でるように揺れる木陰、
 夕風に合わせて弾き合う葉先、
 ざわざわとぱちぱちと影から響く音、
 私の手をかざしても受け入れる白い木漏れ日、
 影に咲く五本指の真っ黒な花、
 黄昏時に咲いた私の黒い花は、
 緑陰から伸びる夜のとばりに包まれて消えた。
                 (250507 木漏れ日)

5/6/2025, 12:48:38 PM

 Björkの’All Is Full Of Love’ほど、最高のラヴソングはないでしょう。私はたまに本を抱きしめながら、その至高の愛を聞いています。
                (250506 ラブソング)

5/5/2025, 11:55:52 AM

 私、手紙に花びらを入れるのが夢だったので、
 あなたのおかげで叶えられました。
 そう書かれた手紙を引き出したと共に、封筒から大量の木屑が飛び出してきた。どうやら、削り花の花びらのようだ。彼女の体臭が染み込んだ木の香りがする。桃のような香りがしたので、今度は彼女の白い二の腕を想像しながら嗅いでみた。
               (250505 手紙を開くと)

5/4/2025, 12:50:09 PM

 今日一日中、外に出た私は人間の瞳を見たか。
 いったい、何人ぶんの瞳とすれ違ったか。
 振り返ってみても、そこには虚像しかなかった。
 人間がそこにいるという情報しか見ていなかった。
                (250504 すれ違う瞳)

5/3/2025, 12:55:53 PM

 青い青い血管が似合うよ、と
 私の身体が教えてくれているのに、
 青は男の色だの、
 女の子だからピンクが似合うだの、
 赤や黄色、とにかく青色以外が似合うだのと
 周りが色々と言ってくるので、
 私は自分の皮膚と肉を引き裂いて血管を取り出した。
 手首から引き出してピンと張ってみせた。
 私のたましいが流れる青色の血管を見ろ。
                 (250503 青い青い)

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