夕暮れ、 木造の平屋の中、 生成の土壁と黄緑の畳、 開け離れた障子から光る木漏れ日、 飾りのない壁に映る草木の影、 壁を撫でるように揺れる木陰、 夕風に合わせて弾き合う葉先、 ざわざわとぱちぱちと影から響く音、 私の手をかざしても受け入れる白い木漏れ日、 影に咲く五本指の真っ黒な花、 黄昏時に咲いた私の黒い花は、 緑陰から伸びる夜のとばりに包まれて消えた。 (250507 木漏れ日)
5/7/2025, 12:49:15 PM