また明日
待ち遠しい気持ちと
怖い気持ちと。
全部好きなものに、優しい人に、
変えられればいいのに。
これはどうやら夢らしい。
現実ではできないことを全部やっちゃおう!
って思うんだけどね、
所詮夢は自分がみているもの。
自分の知らないことはムニャムニャと濁されたように聞こえるし、知らない瞬間はすっ飛んで事後振り返ってる展開になる。
意味のわからない飛び方で空中に浮いてるとか、そういうことはある。
そうじゃなくて、人が何考えてるかとか、どんな反応するかとか、そこを見届けたいけど、そこはブラックボックス。
目が覚めてもやっとするのです。
終わる時間まで待ってて、
と言われたので待ってるのだけど、
時間がなかなか進まない
スマホというスーパー時間潰しマシンを
手にしているのにも関わらず、
私の脳はまだかまだかと苛立つ気持ちに占められて
機械を有益に使うことができない
気づけば指先のささくれをめくり
めくるのに失敗して血がにじみ
あたふたしてティッシュを取り出し…
手当してる今この瞬間は
待つこと以外のことを考えてるな…
いやしかし、元凶はあいつだ。
そして苛立ちに舞い戻る
苛立って良いことがあったためしがないのに
誰得?
ようやく、待ち人来たる
待っててくれてありがとう!
ごめんね、長いこと。嬉しいよ!
満面の笑顔で手を振りながらやって来る
それを見て、苛立ちが消えたのはいつまでだったか
そろそろ待たせ癖を直してもらわないと
もうそろそろ本当に無理。
誰もがみんなそんなもんだよ
って諦め口調で言われるのが大嫌い。
人それぞれに感じ方は違う。
私のしんどいはあなたのしんどいとは違う。
わかるよ、みんなそうだよ、でも我慢してるんだ、
君だけじゃないんだ、みんな苦労してる
安易にそんなこと言うな。
しかしながら、
人によって違う、が繁茂しすぎて、
耐えるべきものも耐えられなくなってる人、
どのくらいが耐えるべきレベルなのかわからなくなってる人、
故に他人に対して、
お前にはわからない、傷つけるな、と断罪して、
結局わがままに振る舞う人。
一方で、
自分の我慢なんて、たかがしれていると思い、
人しれず我慢しているうちに
耐用限界を超えて、壊れてしまう人。
どうしたら適切な線をひけるのだろう?
各種モンスターにうんざりしながら、
自分の理解者はいないと思いながら、
誰もがみんな、それぞれの価値観的に
幸せだと感じられたら、
それはどんなにか良い「誰もがみんな」だろう
時計の針が重なった。
正午だ。
おい、昼飯行こうぜ
さっきから壁時計を凝視していた僕は、吉田の声に振り返る。
こないだ言ってたライブさ、チケット取れたんだ。すごくね?やっぱ日頃の行いの良さ?だよねえ。
でさあ、今朝なんか来る途中めっちゃ綺麗な子見かけてさあ、、、
吉田はお喋りだ。僕の返事の有無などお構いなしに、男にしては高い声で無邪気に語る。
12時20分
近所の定食屋で日替わりを食べながら、吉田の声をBGMに、俺の脳内を占めるのはさっきの時計。
秒針、短針、長針、
規則正しい動き 規則正しい音
それらが刻む時間 描く時間
蓄積 分断 連続 反復 変化
吸い込まれるように、いつまでも見てしまう。
吉田の声がなければ、ただただ時計を眺めて昼休憩を終えていたかもしれない。
物心ついた頃から、周りから、何を考えてるかわからないと言われてきた。
僕だってわからない。これじゃいけないのか?
実際、他の人は何を考えてるんだ?
吉田は例外だ。考えてることをだだ流ししてる。
吉田は勝手に喋って、僕を責めないから、一緒にいて楽だ。