NoName

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2/7/2024, 5:29:52 AM

時計の針が重なった。
正午だ。

おい、昼飯行こうぜ

さっきから壁時計を凝視していた僕は、吉田の声に振り返る。

こないだ言ってたライブさ、チケット取れたんだ。すごくね?やっぱ日頃の行いの良さ?だよねえ。
でさあ、今朝なんか来る途中めっちゃ綺麗な子見かけてさあ、、、

吉田はお喋りだ。僕の返事の有無などお構いなしに、男にしては高い声で無邪気に語る。

12時20分

近所の定食屋で日替わりを食べながら、吉田の声をBGMに、俺の脳内を占めるのはさっきの時計。

秒針、短針、長針、
規則正しい動き 規則正しい音
それらが刻む時間 描く時間
蓄積 分断 連続 反復 変化

吸い込まれるように、いつまでも見てしまう。
吉田の声がなければ、ただただ時計を眺めて昼休憩を終えていたかもしれない。

物心ついた頃から、周りから、何を考えてるかわからないと言われてきた。
僕だってわからない。これじゃいけないのか?
実際、他の人は何を考えてるんだ?
吉田は例外だ。考えてることをだだ流ししてる。
吉田は勝手に喋って、僕を責めないから、一緒にいて楽だ。

1/23/2024, 11:40:21 AM

8時だ、もう出なくちゃ遅刻する。
(なのに、何故か)
休みでのんびりごはん中の父に話しかける。
おとーさん、おしょうゆかけすぎてるよー
(あれあれ?場面は変わって)
階段を上がった二階にいる。
体操服が見つからない、
学校行かなきゃいけないのに、
自転車の鍵が見つからない、
(なんで体操服がいる設定?
なんで探し物が変わってる?)
もう8時10分、間に合わない。
自転車で行けば間に合うさ!
(自転車通学禁止なのにどこに置くつもりだ?)
あれ、もう9時?
学校始まってる?
いや、まだ間に合う。急げー
(遅刻してるって)

目が覚める。
学校なんて、何十年も前に卒業したのに
未だにこんな夢を見て
そんな朝はドキドキして目覚める。

1/21/2024, 12:04:36 PM

今日もモンスターに捕まること3時間。

そうですね、ごもっともです
申し訳ありません
ご意見ありがとうございます、
でもご要望にはお答えできなくて、
ええ、本当に申し訳ないです
しっかり検討させていただきます
はい、ありがとうございます
 
一方的にわーわーぎゃーぎゃー
そもそも間違った連絡先を書いたのはあんただろ
こっちはあんたの愚痴聞き屋じゃないのよ
あんなに怒鳴られたら
全私を否定された気分になってくる
どうか、あいつにバチが当たりますように…
あーあ、本気で転職しようかなあ
でも何の資格もないのにどこに転職?

鬱々と考えながらいつものスーパーに立ち寄る。

ふとワインが目に入った。
ニュージーランド産のソーヴィニヨン・ブラン

そうだ、今日はワインディナーにしよう

瑞々しい野菜で作ったサラダには
実家から届いたレモンで作ったドレッシングを
揚げ焼きにしたナスにナンプラーと酢を少々かけ
パクチーで飾り付けてもう一品
牡蠣は合うのかな?
まあいいや、買っちゃえ
それから鶏肉も
ハーブを乗せて焼いてワインのお供に

たまには奮発したっていいじゃないか

足取り軽く、帰路を急ぐ。

1/20/2024, 1:38:40 PM

静かな世界。
過ぎる生き物は僅かで
光が届かない暗い棲家。
光を浴びに行くときは気をつけて。
ゆっくりゆっくり向かわないと破裂してしまう。
慎重に慎重に。
そうすれば何があっても大丈夫。