「天使の話なんてどうでもいいんだ。僕が話したいことは、」
ある日、僕の目の前に天使が現れた。
天使は僕にこんなことを言った。
「あなたは今日の午後5:00に死んでしまいます。ここで死んでしまったらあなたは天国に行けません。私達はあなたを天使に受け入れてるために運命を変えたいと考えております。
あなたが天使になるかどうかはあなたがお決めください。」
天使はそう言い残し消えてしまった。
僕は、確かに助言通り、5:00に死んでしまった。
僕は運命は変えなかった。いや、変えれなかった。
運命というのは、どんな者でも、神であっても、用意には変えてはいけない者なのだ。
僕は......あの天使にも、他の人にもこんなことを伝えたかったのだ。
「ごめんね」
「ごめんね。」
生まれてきてごめんね。
いいこじゃなくてごめんね。
役に立てなくてごめんね。
でも、でも、私を産んだのはあなただし、私を育てたのもあなたなのに、
どうして、そんなに怒るの?
私には分からないな。
お題 「逃れられない呪縛」
私はスパイ。
今は敵のアジトに潜入してるの。
でも、もう用が無くなったから潰した。
その組織は呪術という怪しい術に手を染めていたけど、関係無い。
最後に「お前を呪ってやる!」とか言ってたけど、どうでもいいよね。
でも、そこから私の人生は変わった。
任務は失敗ばかりで、とうとうそういう仕事も掛け持ちし始めた。
そして、変な幽霊も見え始めた。
「呪ってやるぅ~!呪ってやるぞぉ~!!」ってずっと言ってる。
始めは無視してたけど、あいつだと信じざるを得ない事件が起きた。
私、事故にあったの。
あいつと同じふうに、爆弾で。
背骨を折っただけで済んだけど、体を動かせなくなったの。
病室で天井を見てるとあいつが話かけてきた。
「お前も道連れだぁ~!」とね。
その後、私は死んでしまったの。
お題 「透明な水」
「お母さん、お水はどうして青いの?」
とある少年がお母さんに問いました。
しかし、お母さんは黙りこむばかり。
そこでお父さんが、「お水はお空の色をうつしているから青いんだよ。」と言いました。
少年は聞きました。
「お水はお空の色にずっとなってるの?」
お父さんは言いました。
「お水は色が無いから、いろんな色になれるんだよ。」と。
そして、今。お父さんの言った意味がやっとわかった。
今お水は、僕の色に染まってる。
赤い炎の色も貰ってる。
お水って、可愛そうだね。
少年はそう言い残し、戦火に飲まれて消えていきました。
お題 「突然の別れ」
ある家に一つの鳩時計がありました。
長いこと働いていた鳩時計は数十年後に壊れてしまいました。
それを可愛そうに思った誰かが鳩時計の白い鳩を本物に変えてしまいました。
何も知らぬまま鳩は早速仲間達に会いに行きました。
鳩の仲間達はその鳩を、もともとは物だった鳩を、素直に受け入れてくれました。
鳩は家族にも恵まれ、幸せな家庭を築きました。
しかし、悲劇はすぐに起きました。
巣の中の卵はヘビに食べられ、妻は猫に狩られてしまいました。
しかし、鳩は物に命を吹き込まれたモノ。
だから、悲しいという感情は無かったのでした。
その後も周りの鳩が死のうが、卵を食べられようが、涙すら流しませんでした。
そんな鳩は狩りをしていたニンゲンに、鉄砲で撃ち抜かれてしまいました。
その鳩は何も理解出来ぬまま、紅の鳩ととなり、天に昇って行ったのです。