カサ、カサ、カサ
枯れた落ち葉でいっぱいの、暖色のカーペットをふむ度に、
心地よい音が聞こえる。
カーペットをよく見ると、どんぐりがところどころに落ちている。
ヒュー、と吹いた風に寒さを感じて、身をすくめる。
いつもは早まる足も、少しばかり遅くなる。
“あぁ、秋だなぁ”
ビュー、と風が強まってきた。
名残惜しく思うも、寒さには耐えられない。
足早に帰路を歩いていると、ふわっといい匂いが鼻をついた。
“さつまいもだ”
焼き芋の、蜂蜜に似た甘い匂いにつられて行くと、50代くらいのおじいさんが「焼き芋いかが〜」と決して声を張っているわけではないが、しっかりと聞こえる、そんな声で呼びかけている。
ぐぅ〜とお腹が鳴り、聞こえていないかドキドキしつつ、おじいさんに焼き芋ひとつを貰い、代金を渡す。
お礼を言い、あちち、と熱さに驚きながらも、手の中の温もりに秋らしさを感じる。
えもいわれぬ愛おしさを胸に抱き、家に帰った。
【秋🍁】
あんまり納得してないです。
記憶
衰えていく、忘れる
忘れないようカタチに残す、遺す
ノコしたモノで蘇らせる、懐かしむ
残すは、全体のうち消費されていない部分
遺すは、価値あるものやことに対して、価値の一部でも損ねることなく、その全てを次の代に引き継ぐこと
【形の無いもの】
断片だけ。
『おぅい、無視するなってぇ』
ねちっこくて、嘲笑を明らかに含んでいる声がする。
いや、そんなもの聞こえない。なにも、聞こえないんだ。そうだ、聞こえない。聞こえない。
『なぁ〜あ、いつまで無視すんの?』
クククと喉を鳴らして笑いながら、またも嘲笑する声が。
『おいってぇ』
…うるさい。
『なぁ〜なぁ〜』
…うるさい。
『ククククっ』
うるさい、うるさい、うるさい、うるさい。
「うるさいんだよぉっ!!」ハッ、と我に返る。
しまった、と口を手で覆うももう遅い。
ニチャァという効果音と共に奴が放った。
「みぃ〜つけた」
【声が聞こえる】
久しぶりの更新です
ドクドクと脈打つ鼓動がどんどんはやくなるのがわかる
あまりにもはやく、そして大きい鼓動は
聞こえているのかもしれないと不安になる
ドクドク、ドクドク
ドクドクドクバクバクバクバクバクバク
いつしか鼓動は鳴る音を変え、
身体中の至る所から冷や汗が湧き出ている
バクバクバクバクバクバクバクバクバクバク
““ガタッ””
隠れていた机の脚を、ぶるぶると震えていた私の足が蹴った
あ、。
見上げると、あいつの、不気味な顔がすぐそこにあった
ゃだ、っ
踊るように
洗濯物が舞う
その隙間に君の笑顔がある
【踊るように】