僕は、不完全だからさ。
君に、僕の完全じゃない部分を補って欲しいんだ。
僕も、君の完全じゃない部分を補いたい。
そうやって二人で支え合って、君と、完全になりたい。
完全じゃない僕は、だめですか?
____完全じゃなくても、いいに決まってるじゃない。
みたいなシーンあったらいいなぁ
【不完全な僕】
「んで、動機と凶器は?」
「っだから俺じゃないって!」
「はいはい、もういいから。あのな、監視カメラにお前の顔がバッチリ映ってるわけ、わかるか?」
「っだからそれは双子の弟でっ、」
「はぁ、またそれか。お前の双子の弟はお前が十歳の時に死んだ。調べりゃわかるんだよ」
「うそだ!あいつは生きてる。この目で見たんだよ!」
「わかった、わかった。んで、動機と凶器は?」
薄暗く心做しか寒い部屋で、
警察と向かい合わせで取り調べを受ける。
俺とそっくりのあいつの罪を被せられて。
“そのとき”まで、さようなら。
いつかのあなたに出逢うそのとき、
私はきっと涙するはず。
姿が、声が、性格が変わったとしても、
変わらず私だから。
あなたを見つけだすから待っていて。
きっとあなたと私はまた出逢える。
だから、泣かないで。
あなたの笑顔が私を照らしてくれる。
さようなら。
【さよならを言う前に】
気づいた時には、頭から離れなくなってた
違う、思い込みだ、
何度もそう思おうとした
だって、そうじゃなきゃ、おかしい、
離れることはなく逆にそのことで頭がいっぱいになった
変に意識して、普段通りがわからなくなった
何も悪くないあの子達を妬んでしまう自分に、
どちらかに決めきれない自分に、
またひとり抱え込んでしまう自分に、
嫌気がさす
だれも、なにも悪くない
ただ自分だけが悪いのだ
だから、この思いはここで消化する
スタートラインにすら立てないから、
その場に立つことなく済むように、
息を潜めていてくれ
この■■よ
【誇らしさ】
ちょいとこのお題は難しかったのでやめて、別のお題で書きました
このアプリ家族もやっているので、どうか見つからないことを祈ります
四角に入る部分は想像にお任せします
「...ぅお''ぇっ」
日付を跨いでから早一時間。仲間に酒場で浴びるように酒を飲まされたフーゴは、人っ子ひとりいない港町の端で、ひたすらに嘔吐していた。
「...気持ち悪」
はぁはぁと息を切らしてぽつりと呟いたそれは、口の中に残る吐瀉物に対してなのか、水面に写る自分の醜い顔に対してなのか、はたまたその両方なのか、本人以外知る由もなかった。
視線を少し上げ奥にずらすと、水面に映る月が、キラキラと輝いていた。
今日は満月か
そんなことをふと思いながら、持っていた水筒の水で口をゆすぐ。
そうしてしばらく夜の海を眺めていると、酔いもだんだんと覚めていった。
帰るか、と思い立ち上がると、急に動いたからか、少し目眩がしてふらついた。
「いちち」
と小さくもらし、帰路に着いた。
家に着くあいだ子守唄というべきか、幼い頃、顔も覚えていない母親が歌っていた名もない唄を唄って歩いた。
街から離れた場所にある古びた灯台の家の窓辺に座ると、夢心地の目で満月を眺め子守唄を唄い、フーゴは眠りについた。
【夜の海】