『冬晴れ』
冬の空は、なんだか、どんより。
いつも厚い雲がかかって、雨が降りそうな降らなそうな顔をしてる。
天気予報を信じるか自分の経験を信じるか、出かけるまでに何度も空と、にらめっこして。
まぁ、外に干したところで厚手は乾かないんだけどさ。
冬の空は、なんだか、どんより。
だから、そんな言葉があるのかな。
降りそそいだ日光に寝そべって、ぬくぬく猫みたい。
娘と二人、優しい休日の午後。
『冬晴れ』特別な時を感じて。
『幸せとは』
嫌がられない世界があるとしたら、私は色んな人に聞いてみたい。
『あなたにとって幸せとは?』
どんな答えが返ってくるだろう。考えるだけでワクワクする。100人に尋ねたら、様々な100の幸せが聞ける。幸せのお裾分けみたい。それを聞いて、私は考えよう。
『私にとって幸せとは?』
『いつも』は、幸せで溢れていることを本当は知っている。向き合わないだけで。何となくここで終わるような気がするだけで。
幸せなんだ、本当は。『いつも』。
『日の出』
出窓に腰かけて、空を見ていた。ずっとイヤホンをしている耳は痛くて、でも膝を抱えたまま、動かなかった。
もしかしたら何度か寝てしまっていたのかもしれないけど、一晩中起きていたと思う。中学生の自分にしてはすごい記録だ。
夜中、信号機が点滅になって、動く明かりはほとんど消えて、それから街が遠くなるような景色を見た。
高台にある家の窓から、星を数えた。月は山に沈んだ。
その星を飲み込むように少しずつ変わりゆく空は、紺、紫、桃、橙と、時間をかけてゆっくり、ゆっくりとグラデーションのように街を包んでいく。
初めて見た、朝の始まり方。
何だか分からないけれど一つ大人になったような、この世界の秘密を知ってしまったような気がした。
『今年の抱負』
今日のお題は『今年の抱負』…!
抱負を辞書で調べると、計画と決意と書いてある。目標とは、また違うらしい。ほうほう、勉強になりました。
今年のなんて付くと、何だか長〜い先々まで続くような感じがしてちょびっと気が重くなる(笑)いやいや、そんなに背負い込まなくても…なんて思いつつも、深く考えたり。
すぐに思いついたのは、せっかく痩せた体重の維持。しかし、維持が目標となると、具体的な計画はどうだろうか…。おやつを食べないなんて悲し過ぎるし却下だな。ウォーキングはきっと三日坊主。ああ、抱負は難しい!
もっと簡単なのにしておこう。出来ないよりは出来そうなのを選びたい。そんなこと言うから家族に笑われる。
太ももを少し細くしたいなぁ。よし、これは良い目標。ポイントは『少し』にある。これを計画するとなると…答えは私の中の答えは一つ。
『歯磨きしながらスクワット』こんな抱負はどうだろう。朝晩やれば意味はあるかもしれない。しっかり踏ん張って、お尻を突き出し、ぐっと持ち上げる!ああ〜とっても頑張ってる感じがする!
さてさて、これからやってみるか。歯磨きしながらスクワット。
うん、まぁ…回数は未定だけどもさ。
『新年』
新しい年が始まって、私はまた『ありがとう。それで今、丸何年だっけ?』と『これからもよろしく』を必ず言い合う。
14年前。私は24歳だった。
その日は九州にしては寒い夜で、雪がチラついていて。でも心はすごく温かかった。いつものメンバーでのいつもの年末最後の忘年会。でも今年はちょっと違って、いつもよりはしゃいで、居酒屋ではかなり盛り上がってた。
仲間内では初めてだった。私は16歳からこのメンバーの一員になって、一人二人と女性も増えて、年齢はバラバラだったけど、年下の私は可愛がってもらって、支払いはいつもタダだった。
彼は28歳。今思えばちょうどいい頃だった気もする。いい感じに酔ったメンバーと11時45分頃居酒屋を出て、裏口のような場所まで歩いて。1枚のペラペラの紙を並んで提出した。
『はい、間違いなく。』
そう言われてすごくホッとした。訂正印も持ってきていた、まだそれぞれの名字の訂正印。
出口から出たらメンバーがカメラを構えて待っていた。恥ずかしそうな二人。この瞬間から夫と妻になった。
14年前の今日。忘れない寒い夜。
『新年あけましておめでとうございます』
『おめでとう、ありがとう。それで今、丸何年だっけ?』
『あ〜14年…かな?これからもよろしく』