湿り気のない澄んだ空気を思い切り吸い込む。
胸の内側がひんやりして気持ちがいい。
ふうと息を吐きながら肩を落とすと背中のランドセルが揺れた。慌ててベルト部分を、手袋を付けた両手で掴んだ。吐く息はどれも真っ白で、目の前が曇るのが不思議だ。
これだけ寒くて晴れた日ということは。
通学路は川沿いの砂利道だ。大急ぎで向かえば道の隅っこが白く輝いていた。
恐る恐る片足を踏み入れる。
ザクッ
足に伝わる感触と、耳に届いた音にニンマリと口角が上がる。
もう片方の足をその隣に下ろす。
ザクッ
先ほどと同じことが繰り返されて笑ってしまった。
ザクッ ザクッ
学校に着くまでのほんの数分、ひたすらザクザク鳴る地面を踏んで足を進めた。
これが「霜が降りる」ということだと知る前の、小学生の頃の話。
『冬晴れ』
自分の心の中で事足りるもの
決して自分以外に操られないもの
持続性のないもの
幸せだと自覚した時には既に満たされているもの
根拠よりも直感で気づくもの
欲張ると必ず失うもの
『幸せとは』
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朝日が昇る
暗闇に包まれた世界に光が行き渡る
温かくて優しい熱が身をほぐし
視界は希望で輝いている
いよいよ新しい一歩が始まる朝を迎えた
一方で見えていなかったモノ
隠れていたモノが浮き彫りになった世界に
それでもなお陰に身を潜めている私は
この世界の不要物と毎朝思い知らされるのだ
『日の出』
生きる
『今年の抱負』
「一年ってすんごいあっという間だよね」
「わかります。年明けたーって思ったらチョコ食べてて。桜咲いたと思ったら過去最高気温になって。この間まで夏だったのに急に冬になって。ああだこうだ仕事してるうちに年越しますもん」
「まだチョコ食べてるからいい方よ。私は、年明けたー! 暑いー! 寒いー! 年明けたー! だもん」
「それは流石に記憶なさすぎでは?」
「あと十年したらわかるよ」
『新年』
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明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします
これを読んだあなたにとって
悲しみも苦しみもなく
人の諍いに巻き込まれることなく
悔いに苛まれても挫けることなく
日々を積み重ねていく中で
特別な日がかけがえのない思い出となり
喜びに満ち溢れた一年になりますように
『良いお年を』