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12/16/2024, 3:21:23 AM

「明日休校になりますように」
 テレビの天気予報と睨めっこして両手を合わせた。パンと大きな音が鳴った方が願いが届く気がして何度も両手を強く打ち付けた。
「明日はみぞれだから、電車動くよ」
 背中越しに母の迷惑そうな声が聞こえた。私はお構いなしにダメ押しでパンと鳴らした。

 翌朝、いつもより早く起きて部屋のカーテンを開けた。外は眩しいくらいに白く輝いていた。
「雪だ!」
 興奮のまま窓を開けて、現実を目の当たりにした。私は渋々部屋を後にした。

 休校の連絡はどこからも届かなかった。


『雪を待つ』

12/15/2024, 4:24:35 AM



「何でイルミネーションとかライトアップとかって冬なんだろう。こんなに綺麗なんだから年中やってもいいのに」
「集るからじゃね?」
「え、人が?」
「蛾?」

 彼女が苦虫を噛んだ瞬間、スマホを握った俺の手が動いた。


『イルミネーション』

12/14/2024, 1:08:15 AM

 注がなすぎて干からびることもあれば
 注ぎすぎて腐ってしまうこともある

 君と愛の花を咲かせることはできるだろうか

『愛を注いで』

12/13/2024, 5:26:34 AM

 あなたの心が私から離れるのと
 私が自分の心を見失うのは
 きっとあの時がきっかけだったね


『心と心』

12/11/2024, 11:58:34 PM

 空っぽの心の器
 おまけに穴まで開いてる

 色んなものを入れてみるけど
 全部穴から抜け落ちる

 でもトゲトゲしたものは転げ落ちる時に
 色んなところに当たるから
 ものすごい痛みを伴う

 君には何でもないフリを装うけどね


『何でもないフリ』

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