「明日休校になりますように」
テレビの天気予報と睨めっこして両手を合わせた。パンと大きな音が鳴った方が願いが届く気がして何度も両手を強く打ち付けた。
「明日はみぞれだから、電車動くよ」
背中越しに母の迷惑そうな声が聞こえた。私はお構いなしにダメ押しでパンと鳴らした。
翌朝、いつもより早く起きて部屋のカーテンを開けた。外は眩しいくらいに白く輝いていた。
「雪だ!」
興奮のまま窓を開けて、現実を目の当たりにした。私は渋々部屋を後にした。
休校の連絡はどこからも届かなかった。
『雪を待つ』
12/16/2024, 3:21:23 AM