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10/26/2024, 12:42:46 AM

 心地良い気怠さの中
 微睡む意識でもあなたの気配が動いたのを感じた
 息を潜めて瞼を閉じ寝たフリをしていると
 あなたは何の挨拶もなしに部屋を出て行った

「行かないで」

 そう言ってあなたを引き止められればいいのに
 私をその立場に立たせてほしいのに
 結局何も進展しないまま友達止まりなんだ



『行かないで』『友達』

10/23/2024, 11:37:16 PM

"悔しいほど"澄み切った青い空が、どこまでも広がっている。



 青い空という誰もがポジティブな意味で思い浮かべる快晴の空に、ネガティブな言葉を枕詞として置く奴、だいたいヲタク説を提唱したいです。
 好きな一文ではありますが、改めて考えると……悔しいって、青空と何競ってたんだ?


『どこまでも続く青い空』

10/23/2024, 4:19:57 AM

 先週一気に寒くなったものだから
 コートをクリーニングに出して
 洋服を入れ替えて
 羽毛布団を干して
 タイツやヒートテックを買い足したのに

 いやまだ昼間暑いんだけど
 朝晩もそんなに冷えないし
 どうりでコートが売れないわけだ


『衣替え』

10/22/2024, 1:12:45 AM

 私とあなたの距離は近いようで遠い

 色んなところから飛び交う歓声に紛れて
 負けじと声を張ってあなたを呼ぶ
 翌日声が枯れるとわかっていても
 ほんの一瞬あなたの目を見たいから
 めげずに何度も呼ぶ

 けれどあなたは一度もこちらを見ることはなかった
 ああ 今日が終わってしまう
 どうせ明日も来るからと
 明日の方が聞こえるかもと
 必死に自分を励ましていたら

 あ
 いま
 こっちみ

 私の絶叫が会場に響き渡った


『声が枯れるまで』

10/21/2024, 4:29:08 AM

 始まりの一歩を誰よりも早く踏み出せる
 あなたの勇敢な背中が眩しくて目を細める


『始まりはいつも』

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