古武 瀏

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7/8/2023, 10:58:55 AM

「__いつもと変わらない」

 マンションのベランダから見下ろすのは、街。
 そこには、車のライト、ビルの光、街灯が夜の街を照らしていた。

 いつもの風景である。

「__街の明かり」

 いつもと変わらない、街の明かり。

7/7/2023, 11:43:26 AM

「__ベガと、アルタイルだよ」
「__ユナは夢がないなぁ、もう。そんな堅苦しい呼び方じゃなくて、彦星様と、織姫様だよ」

 私は、事実を言っているだけなのに、いとこにそれを否定される。
 夢がないのは、どっちの方だ。

「…どっからどうみても、ただの一等星なんだけどな。昔の人はどうやってその逸話を作ったんだか」
「まあまあ、そんなきつく言わないの」

 私の夢の無さを肯定するいとこは私を慰める仕草をする。


「…また、会えないんでしょ」

 それは、ベガとアルタイルの逸話の登場人物に言ったのではない。いとこと私に、言ったのだ。
 それは毎年のことなので、語尾に疑問符がつくことはない。

「…うん。ごめん」
「……不思議。七夕しか会えないなんてさ」
「………彦星様と、織姫様みたいだね」
「…………ベガとアルタイルだってば」

 沈黙が増えていく。
 やがて、沈黙はその場を支配した。

 それよりも、私が言った、星の呼び方を完全に無視して、逸話の呼び方をするいとこに、悔しさを覚える。
 きっと、涙がでているのも、そのせいだ。

7/6/2023, 9:15:06 PM

「…引っ越し?」
「うん、結構遠くに行くことになっちゃった」

 平然とした態度で、隣にいる親友__トモコは事実を伝える。

 引っ越し。意味がわからない。何故そんな平気そうなのか。
 悲しくないのか。私が嫌いだったのか。

(否定したいけど、否定できない。トモコも、こんな私に愛想が尽きたのかな)


「__楽しかったよね、色々」

(何で今さらそれ言うの)
「……そうだね」

「二人で買い物に行ったときはさ__」
 それからトモコは、思い出を話し始めた。止まることなく。

(…速く、どっか行けよ)

 ふと、あることに気づく。
 トモコの語る声が段々頼りなくなっている。

 そして、最後には、「ごめんなさい。ごめんなさい」とすがりつくように、私に謝る。

「ほんとは、引っ越し、なんか…行きたく、ないんだ。ユミと、一緒に、いたいよ」


__友達との最後の思い出。

7/5/2023, 9:26:14 PM

「__願いが叶うといいな」

 淡い期待を胸に、私は星空を見上げた。

7/4/2023, 9:28:15 PM

貴方を見ていた。尊いものを見るような視線で。
貴方のことが好き。この口で愛を伝えて。
貴方が私のことを理解してくれる。
だから、好きなんだ。どうしようもなく。

この恋の行く末は、神のみぞ知る。

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