中学生

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4/18/2024, 12:48:20 PM



人間は、よく神について語る。
神なんて信じていないし、まず断定しよう。
居ない。

神は人間によって不安感と劣等感と恐怖と時間の波で形成されたものなんだ。
その証拠に賢い人間以外に宗教は通用しない。

私達はどうやって生まれたんだろう。進化したんだろう。分からない。いくら考えても証明出来ない。
そして、人間は神が私たちを造ったということにした。

神とはそういう物だとおもう。

だが、一つ思いついた事がある。
聖書に書いたような私たちを作り上げた神様。
私たちに運命を配分する神様。願いを叶えてくれる神様。味方してくれる神様。生きる事を許してくれる神様。救済を与えてくれる神様。


それは私たちなのでは?

虫や花にとって、私たちはなんでもできる。
殺すことも踏むことも躊躇しない。
殺す事ができるんだから、守ることもできる。
つまり、人間の言う神様と言うものは虫にとって私たちなのだ。
虫や花、動物にとって、どれだけ頑張っても足掻いても人間に背けない。どう頑張っても向き合わないといけない。そして向き合うというのは死を意味する。
虫に喋れる口があるとするならば、人間と同じように、死にたくないんだ。と願うだろう。

だが、虫にそんな口はない。

残念で無慈悲だが、私たちはこの世界の神なのだ。
この神は自分がどれ程上で、どれほど簡単に、命を持っているのか気付かない。
虫を活かすのも殺すのも、気分や暇つぶしでできる。

私たちは自分達の頭脳を持って何をすれば良いかも分かっていない。
この脳を持っているのだから、数えきれない程の命を左右し、運命を定めるのだから。

もっともっと自分達に責任を持つべきだ。

良い加減紛れもなく私たちが神、もしくはこの世界で虫達にとってどれほど神に近い存在か、考えるべきだ。

神は神を必要としない。
そう思う。

4/17/2024, 2:05:19 PM

不登校の私。
一年前から自殺を考えている。
この事は誰にも言っていない。
死ななくてはならない。そう思う。だって、生きていけないし、迷惑とか言われてもどうすればいいの。
学校に行けなければ課題もできない。家事も勉強もそんな私にどうしようもなく不安が崩れ落ちて迫ってくる。
その圧迫感は考えただけで、もう、私には言い合わせない感情になるのだ。
実際今無意識にため息をついたらしい。
横の母にため息は幸せを吐いてるんだよぉ
と言われた。
幸せとかもうどうでも良い。

そして、遂には歯磨きやお風呂にも入れなくなり、寝転がって天井を眺めるのすら色々な嫌な感情が出てきて、意味もないのに布団に潜り込んで芋虫になったような気持ちで、億劫になり、無心に近い状態になれるかつ、依存度が高いスマホ、ネット、SNSに何十時間も見てしまった。
そして、なんと言っても、頭が痛いのに、寝れない。
疲れているのに眠れない。眠たいのに眠れない。
とにかくとにかく、眠れないのだ。
布団に入って目を瞑っていれば良いとお思いだろうが、違うんだ。
そんな事すら出来ないんだ。すごくしんどいんだ。
家族とご飯を食べるのも出来なかったし、外に出るなんてもってのほかだった。
精神科から処方された薬も飲めなかった。
外なんて一歩も出れなかった。

詳しい人はお分かりだろうが、これは主にうつ障害の症状と言える。

外傷は目立つが、心の奥底に秘められた気持ちを見透かせる人間なんて居ない。どんだけ血が出てぐちゃぐちゃになっていようが、気づかない。

それどころか、あろうことが本人がだらけていると、思い、その傷口をえぐり、自分が何をしているかも知らず、去って行ってしまう人がいる。それも、大数派だ。

今の言葉を読んでいて、大袈裟だなと笑った人がいると思う。
それは否定させてほしい。鬱は立派な障害なんだ。

目が見えない人の考えてる事、見えているもの、気持ち、分からないでしょう。
理解しようとしなくて良い。でも、傷口に塩を塗る事は絶対に避けて頂きたい。


それと、最初の一人称の「私」には続きがある。

外に出られないまま一年ぐらい芋虫のような生活を送っていると、「フリースクール」という言葉に目が留まった。
フリースクールとは私と同じように、学校に行けなくなった子達が通うところ。
私は一年を通して色んな事を考えた。
いや、実際なんも考えていなかった。
でも着々と経験値は上がっていた。エネルギーは溜まっていた。
私はフリースクールに、行っていることにした。
生徒達は明るくて、かっこいい子もいればギターが凄い子もいるし、パソコンができる子もいた。
先生と明るかった。
正直、アホらしく話している姿を見ていると、ついていけない。やはり私は何をしても駄目なのか。
と思っていると、一人の女の子が、話しかけてきた。
名前はNちゃんとする。
Nちゃんは一つ年上の女の子で優しい子だった。
思えばその日から変わったのだ。
一年間芋虫みたいに生きてしまった罪悪感は、自分の過去を他人として、客観的に見る事ができるようになるにつれて、消えていった。

生きてても良いんだ。

と感じる瞬間は、柄にも泣くような性格をしていないが、目尻が熱くなる。


私は、変わったんだ。今までの自分とは違う。
もう、生きててもいい。死んでもいい。
選択肢はずっとあったけど、ずっとずっと選びそびれた。

私は、人の少ない時間だと、外を歩いても良いということに気がついた。
今では1日に必ず10km以上歩くようにしている。
まだうつ病という精神のハイエナから、身を萎めてしまう時もあるが、
過去の自分に言ってやりたい。大丈夫と。

4/15/2024, 1:14:36 PM

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はぁ。想像さえもしていなかったな。
え?何?ため息から入る文章なんて読みたくない?
ええ?うそだろ?これ一応遺書なんだけど、あっ知ってるか?英語圏ではwillは遺書っていう意味もあるんだぜ!ははっ、この文章を読んでる奴は大体この、ははっ、っていうイントネーションが分かるんじゃないか?
ははっ!!
ところで本題だ。俺、結構まぁまぁ遺書の書き方について調べて来たんだけどなぁーーため息から入って敬語で堅苦しい俺の文章なんて読みたくないだろ?想像してみろよ。笑えてくるだろ!そのまま一生笑って死んじまえ!!!冗談だよ。海外のブラックジョークって奴!!
ちゃんと生きろよ。なっ!
そうだよ。おれ海外行きたかったわー!!ほんと
英検一級取ったしヨォ。海外の文化なかなか好きだったんだけどよー!!まぁ知ってるか。俺の口癖だからな。

まぁまぁ、俺は堅苦しい文章じゃなく、話し言葉の意味わっかんねぇいつ見てもラストまで笑顔な遺書にしたいんだよ!!
それに、俺の、まぁその?なんだ?あれだよ!雰囲気?って言うのもな?残してみたかったしな?ユーモアある遺書ってなんか憧れるだろ??笑顔で送って欲しいし、
葬送曲流れ出したくらいに、ストーップ!!って行って従業員に飛び出して貰って読み上げて欲しいわ。

あとなーこの遺書読んでる奴全員な?今どんな気持ちだい?俺が死んでウェーイってなってんのかい?どうなんだい??まぁ、遺書だしな。willってかなり強い意思って感じだからな。これ読んでる遺族??俺の友達?先生?
ラストに書いとくけどよぉ、お前ら、幸せになれよ。
柄じゃねぇからこんな事書きたくねぇんだけどよ。
まぁ遺書って事で?どう足掻いても一方通行な訳だし?俺もハメ外しちゃったり?ははっ!
俺のいきたかった、人生、海外?行っちゃったりして!!楽しめよ。あと、俺の事忘れんなよ。ほんと。
あらやだ!こんな事書いてたら悲しくなっちゃう!!
これ、書こうか迷ったんだけどよ。正直、本当に正直になっちまうんだけど、俺、めっちゃ死ぬの怖い。怖くて怖くて堪んない。実際、俺バリバリ文系だから?ペン握りたかったんだけど?震えて?できねぇし?めちゃくちゃ誤字るし?もうほんと良いことねぇわ。
こんな可哀想な俺の願い三つ目!!!
(ちなみに一つ目はこの遺書を持って従業員に飛び出して来てもらう奴、二つ目は人生enjoyしろってこと!あっそれと重要な事カウント忘れてた、ま、まぁ?俺の事忘れ無かったら?enjoyできるって事で?良い、、だろ)

まぁ、三つ目になるんだけど、賢いお前なら分かってんだろ。まぁ全員に向けた事なんだけどさ!
お前らさ、enjoyしろ!って遺書にまで書いてやってんのにまだくれぇ顔してる訳?まじで?じゃあ使ってやるわ!俺の切り札!遺書!なんつって!ははっ!
まぁ遺書なんて書いた割には内容薄っぺらいよな。
でも仕方なくね?まだ学生の俺にとっちゃぁ貯金もねぇし、あ、通帳は母ちゃんと父ちゃんに管理任せるわ。
それと、実家の俺の部屋はほとんど捨てちまって構わん!!今の俺の家にあるもんはろくなもんないけど、
皆んなで山分けでもしろ!!最後まで病院なんだからさ。ちょっとぐらい外出ても良いだろ!
戯言はここまでにして、
じゃあ、まぁこれで本当に本当に最後って訳だけど、なんてこった。何にも書く事がねぇ。
書くってのは良いことだよ。ほんと。海外の小説翻訳者とかどうかなーって思ってたけどな!!
まぁ、これみてる全員、達者でな!!!
死ぬんじゃねぇぞ!!みてるからおれ。
ごめんな。ありがとう。全員愛してるぜ。


拝啓、

鈴木先生、母ちゃん、父ちゃん、健太、二郎、京介、じいちゃん、とわおじさん、えり、まこと、あいり、ひとし、桃ちゃん、海里、伊藤、石神、能勢


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なにこれ、、、
私は、出葬前に従業員の人に渡された手紙のような薄い遺書を落としてしまった。
ラストまで笑ってって、ごめん今は到底笑えない。
意味わかんない。何で最後までこうなの?意味、わかんない。本当に。なんで?何でこんな。
分かってた。あいつの未来はもう無いって。
知ってたのに。いつ容体が急変してもおかしく無かったのに、、、、!!まさか、まさか、だよ。
自殺なんて!!意味わかんない。何で!?!?何で自殺しちゃったの??しかも薬って、どうやって看護師の目を盗んだの?どうやって手に入れたの?!
自殺するような奴じゃ無かった。
背中から誰かの手が私に触れる。父さん??
そんなことより、。もう、、、何でよ。あれ、何これ、涙で前が見えない私の前にさっき落としてしまった遺書がある。膝をついてそれを拾ったつもりだが、黒を纏った膝に何か違和感がある。膝の下を探ってみてみると、どうにもそれは写真だ。写っているのは、何回かみたことのある、あいつの家庭教師??
ツーショットの写真は両者自然に笑っている。
何気なく裏を見てみると、びっしり鈴木先生への手紙や、メッセージが書かれていた。
ハッとした。まさか拝啓って書いてる人全員分?
封筒にはそんな分厚い何十枚もの写真はないように見えるが、中を見てみるとその数枚の写真の中に私達が居た。
海に行った時の、、まだ元気だった頃だ。
水色の水着の私の横で砂に埋められたアイツがいる。
どっちも笑っている。
、、、、少し時間をかけて裏を見た。
そこにはその日の思い出と私とあいつの様子がびっしり書かれていた。
そして、私へのメッセージも、びっしりと。

えりへ、

えりにはちょっとあの世で顔合わせずれぇな。
なんつったって、えりは絶対俺の顔見た瞬間殴って来そうだからな!笑笑
まぁでも、待ってるよ。えり、お前は弱い。
俺が死んだ実感もまだあんま湧いてないんじゃ無いか?
幼馴染にして恋仲!!まさに浪漫じゃねぇか
俺、俺たちが出会った記念日の二日前に死ぬ予定だから1日目が通夜で、二日目が葬式、、、になってるとしたら
今日が俺たちが出会ってから、生まれてから、20年だ。
10年を一昔ってカウントするからもう二昔じゃん
ははっ!!!!俺、まだいるから。ちゃんとえりの事みてるから!!ずっと。だから、お前百歳まで生きろ!!
あーあ!それにしてもえりともっともっと話したかった。結婚したかった。子供も欲しかった。
えりが幸せになるなら、他の人を見つけてもいい。
まぁ、でもそいつを俺の墓に連れてこい!!
ちゃんとえりに合ってるか確かめてやる。
えりのトコんの父さんより先にだからな!!!
じゃあな。えり。一ヶ月後には笑えるようになるんだぞ!!!

写真にはこびりついた水滴の跡がある。
ほんと柄にも無い。何故だが涙もおさまった。
多分実感がちゃんと湧いてないんだ。
生別か死別か、知らなかったら、悲しむ日が来ないように。
最後の方に父さんより先に墓に持ってこいとか言ってるし、父さん、結構っていうかずっとこいつの事、気に入ってたし、新しい人とか言ってるし、多分これ一緒に後ろで読んでる父さんの様子が気になるが、兎に角、父さんの様子を気にするぐらいになった。
これは墓に、一緒に持っていく。宝物にする。
そう薄い写真を胸に握りしめる。屹度これからしんどい日が待ってるんだろうな。でも、ほんっっと柄でも無い。ふふっ。
私が苦しまぐれか、真の笑みか自分でもわからない微笑みの声を上げた瞬間、後ろから、ずっと摩ってくれてた手が止まった。そして急に抱きしめられた。心なしか暖かい。
それと同時に、あいつの声が、こう言った
「やっと笑った!!」

すぐに後ろを振り向く。誰も居ない。
父さんの姿も無い。葬送曲はとっくに止んでいるようだ。また泣き出しそうになったが、にっこり微笑んで見せて、一方通行の遺書を心の中で睨んだ。

一方通行の届かぬ思い、
ずっとみててね。幸せになるところ、みててね。



お題「届かぬ思い」 

4/14/2024, 1:12:20 PM

神なんて居ない。
神なんざ居るはずがない。
科学的に考えて、聖書に書いてあるような神はあり得ない。もし、この世界を故意的に作り、私達を生かす存在を神とすると、話は別かも知れないがな。

人間は、賢いくせして実は愚かな生き物だ。
いや、賢いから愚かになるのだ。
だから、人間同士思いっきりぶつかり合う。
時には息の根を止めたりもするし、傷つけたりもする。
単純に考えて、賢いからこうなるんだ。
人間がもう少しアホだったら小手先の技術で今持ってるスマホだなんてもっての他、文字すら存在してないと思う。
人間は賢すぎたんだ。
この地球じゃ、ぶっちぎりで賢すぎる。
地球で2番目に賢い動物として人気なのはチンパンジー。
一位と二位の差がありすぎる。他の動物が賢くないのか、人間が賢すぎるのかわからないが、とにかくこれが駄目なんだと思う。
賢いという事を頭が良い。と表する事があるが、これは全くだと思う。
賢いということはいい事なのだろうか?
例えば故意的に私達を作った神が、科学で生命体や植物連鎖を造る。言ってもメインは勿論人間だ。
いくつもの全く同じ世界を作って、人間のIQを少しずつ上げていく。
最初はすぐ絶滅。
あるところで炎ができた。あるところで村ができた。
そして、協力して、笑顔あふれる最高の状態
から、もっともっと上げてゆく。
そうしてゆくと、人間は米を求めて争い始めた。
生き抜く為に人を殺し、協定を結び信用した。
それが私達なのでは?
まぁ、これも根拠なき妄想。数え切れない何兆個もある想定の一つだ。だから信じちゃいない。
自分で書いていてどんな妄想だよって笑った。
でも、賢すぎるって言うのは本音だ。
私は人間はもう少し知能が低いぐらいか丁度良かったと思う。私達はもっと、幸せだったと思う。
協力して、殺人なんて言葉生まれなかったと思う。
綺麗事で片付いてしまう世の中で敢えて言わせて貰うが、殺人なんて決してあってはならない事なんだ。
だから、もし何でもいい。神がいるんだとしたら
人間をもう少し馬鹿にして下さい。って頼むかな。
若しくは、人間を無かった事にして下さい。か、

3/7/2024, 7:57:24 AM

わしの名前は勝原順平。妻の清美ともう50年の付き合いになる。
最近、妻は少しボケできてしまって、
趣味である編み物が出来なくなり、
家事ができなくなり、
やがて立てなくなり、
コミニケーションを取ることができなくなり、
どんどん弱って行く清美が怖く、切なくてずっと静かな顔を眺める生活を送っている。
息子は10年前になるか。嫁さんと離婚し、孫はいないし息子は介護など当たってくれない。だが、まだ良いのだ。息子には息子の人生を歩んで欲しいと思っているし、まだ俺がいる。
清美だって同じ考えな筈だ。

わし達の庭は管理できなくなっていき、虫や木の葉が生い茂り、もう立ち会いできぬ状態になっていた。きっとわしが死ぬまでああなのだ。
だが、一つだけまだ大事に育てている花が一鉢あった。その鉢に毎日朝起きて水をやって1日が始まるのだ。
湯を沸かし、茶を入れて朝飯に卵を焼く。
妻の口にも茶漬けを覚まして入れて、水で流しこんでやる。妻の口を拭いて、
溜まった洗濯をコインランドリーに持って行く。帰りにパンを二つ買って家に帰る。
そして帰って時計をみた時にはもう大体十二時なって居るから、さっき買ったパンを食べる。
妻にもパンをあげる。妻は絶対にピーナッツバターじゃないと駄目なんだ。昔はよく2人で買い物に行ってパン屋に行ってピーナッツバターを買って食べていた。もうそのパン屋は潰れたが。それでもピーナッツバターじゃないと怒られる。
そして洗い物をして、風呂を洗って沸かす。
ついでにトイレも磨いて綺麗にする。
そしてスーパーに行って今晩の夕飯の材料を買う。
妻みたいに上手に作れないが、できるだけ栄養を沢山摂った方が良い。
そして帰りにコインランドリーに服を取りに行って大荷物で家に帰宅。
すぐ料理に取り掛かる。
料理が出来たら、まず味見して次に清美に食べさせる。口を拭ってやって、濡れた温かいタオルで清美の体を拭いてやって、枕のシーツを変える。
あとは、自分も風呂に入ってテレビを見て、残りの家事をやって寝るだけの最近の日々だったのだが、今日は違った。押し鈴が静かに鳴った。
こんな時間に何の様だ?わしは返事をしてテクテクと玄関に向かった。
扉を開けると若い警備員が2人。
もう1人の方は何か喋っているが、聞き取ることができなかった。
わしが聞き返すと警備員は大きく口を開けて、
「※※※*市警のーーーと言う者です。」
と手帳を取り出してこちらに向けた。
はて?警備員と思っていた輩が警察官だったとは。そんな事より早く要件を教えて欲しい。
心で思った事そのまま警官に伝えると警官は
「あー?聞いーーせーーた?もー一度言ーーすね。此処いらで通報があったんです。酷い臭いが貴方の家からすると。」
酷い臭い?なんて事を言うんだ。それに通報なんかしよって。意味が分からない。大体なんなんだ。バカしているのか?
警官は続けて
「なーー、少し勝ーーーにお話ーー伺いーーて来たーでーけど。調査ーー協ーおーーできーーーか?」
「「あぁ?」」
聞き返したつもりだったのだが何故か警官は強引に中に入っていった。
わしは流石の警察にも家に入られては困るし、迷惑過ぎるので怒鳴った。
するともう1人の警官は肩についている無線機に手を出し、何かいって、わしを止めに入った。
こんなの駄目じゃないか。警官は住民が安全に暮らせるよう尽くすべきなのに、こんな勝手な事されて、考えられない。
警官は弱ったわしの体では到底敵わなかった。
できるだけ大きな声を出して訴えた。
だがそれも警官が歩を止まる条件に適して居なかった。
本物の警官がこんなことする筈ない。
新手の老人に狙いを向けた詐欺や盗人に違いない。早く止めないと。
あの警官が、もう、すぐに清美の居る部屋に到着してしまう。清美が。清美に何をするんだ。
警官が清美の部屋に入った時、全てがスローモーションに見えた。
清美が。わしは犯罪者の行動を想像して一瞬眩暈がした。
力が抜け、人生最大の絶望を感じる瞬間な筈なのに一気に脱力感を感じ、そのまま膝を折ってしまった。
だが、その犯罪者は妻を見た瞬間、走ってこっちまで戻ってきた。
そこからは速かった。さっき呼んだ警官の仲間が来てわしをコンクリートの部屋に閉じ込めた。でもそんな時でも清美の事が心配でならなかった。コンクリートの部屋の壁の外ではサイレンの音がずっと響いている。
ものすごく長く感じたがおそらく実際は数分で警官の格好をした奴らが入ってきた。
あいつらの言うことはつくづく分からなかった。コイツらは頭がおかしいキチガイなんだ。
早く本物の警官に助けを求めないと清美の無事も怪しい。あんなに弱っているのだから、若しかしたら、もう。遅いかもしれない。が。



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勘のいい方ならもうとっくに察した方も居られると思うが、主人公の妻である清美はもう既にずっと前から亡くなって居た。
認知症が酷かったのは主人公の方だったのだ。
主人公の語る偽物の警官、犯罪者とは勿論本物の警察だ。
そして息子はずっと介護をしていた。
主人公は離婚し別の場所に住んでを居ると語っていたが実際は息子は、「1人の若い警官。」だった。(警官ではないが、そう見えたらしい)
主人公は全部忘れてしまっているが、清美の部屋に息子(主人公は全くの別人だと思っている)を入れる事をめちゃくちゃに拒絶して、
清美の看護はあまり息子も見れなかった。
だがある日異臭に気付き、主人公が家を外している内に部屋を覗いてみると、死んでいる。
そこから、死体と向き合って、自分の事すら忘れてしまっている父(主人公)がどうしようもなく怖く、お義母さんの事も、自分が殺人の犯人にされたらどうする?今まで放って来た理由を問い掛けられて、この事実を話しても通用するのか?と不安が押し寄せ、今日の今日まで通報することができなかったのだった。

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