意味がないことで流した意味がない涙は恥じなくていい
月の光が君の瞳で反射してぼくの網膜に像を結んだ。
薄暗い道の上で、月→君の目→ぼくの目と進む一筋の光しか存在しないんじゃないかと思うくらい、ほかに何も見えなかったし、見ようともしてなかった。
母が、ココロオドルもジョジョの奇妙な冒険も知らずにココロジョジョルにハマっていてなんかウケた
何もうまくいかない日だった。
朝起きてから、帰って今晩酌するまでの全てが。
無気力感と裏腹に、出し切れなかったエネルギーが体の中から出ようとうごめいている気がする。
それをなんとかしようと、部屋の中を歩き回ってみる。
脚はなんか落ち着いてきた気がするが、あの感覚が腕に移動した感もある。
腕をぶんぶん回してみる。
バカみたいな動きだが、マシになってきた気がする。いや、腹に移動したか。
ぴょんぴょんはね回ってみる。
アガってきたな。ただ、頭にはうざったい感覚が残る。
まだダメなのか。
私は、部屋の中をグルグルと、腕をぶんぶん回しながら、ぴょんぴょんはね回って、一番勢いが着いた瞬間、力を込めて全身で窓を突き破った。
浮いた。
浮いてなかった。
着地した。キレイに。足を揃えて両手を上げて。
月を震わせんばかりの拍手が湧き起こった。
目が覚めた。ソファから転がり落ちていた。体が重い。まだ風呂に入っていないから体がベタつく。でも起き上がるのが面倒くさい。最悪だ。さっきのはなんだったんだ。そもそもこの部屋は1階だ。
床に散らばる衣類や書類を踏みつけながら、でんぐり返しした。立ち上がって手を広げる。なんか立てたな。風呂でも入るか。
シュレディンガーの猫座って知ってる?
NASAとその辺の人達が作った、見えない星座。
地球から観測できない星で構成された星座。
シュレディンガーの猫は観測するまで生死が分からないけど、観測したら確定する。
シュレディンガーの猫座は地上から観測できないけど、確かに存在する星で出来ている。
なんか、面白くない?
私も、オリジナルの星座作りたいな。
もし私が作るとしたら……ビッグバン座かな!