NoName

Open App
7/13/2024, 10:26:42 AM

【優越感、劣等感】


歪んだ認知のその先で
暗い炎が燃え上がる
誰かを見下し愉悦に浸る
暗い目をしたあの人は私

世界が反転する
凍るような冷たい水の底で
自身を失い萎縮する
くらい眼をしたわたしはあなた

鏡あわせの歪んだ認知
足元に絡み付く触手となって
絡み付く
優越感も劣等感も同じこと
捕らわれる前に歩きだそう
振り払おう

私が私らしくあるために
自分を肯定してあるがまま
フラットな目で世界をみたい
劣等感に飲み込まれてしまう前に
 

7/12/2024, 10:33:48 AM

【これまでずっと】


ずっと守られていた
愛されていた
そんなことに気がつかずに僕は
独りで殻の中でうずくまっていた
その中は安全で暖かで
自分の鼓動の音だけが聴こえて
ずっとその場所にいるのだと信じていた

僕は眠っていたいのに
時間はどんどん進んでいく
僕もどんどん大きくなる
狭くなってしまった殻の中で
僕は居てもたっても居られなくなり
外に出ようと動き出す

カツンカツン とても硬い
カツンカツン 破けない

閉じ込められたまま力尽きる
そんなのは嫌だ
僕は戦う
力の限り叫びつづける
全力で殻を割る
外に出たらもう守られない
そんなことはわかってる、僕は
全力で殻を破る
これまでずっと僕を守ったこの場所には
もう居ることはできないのだ
怯えながら震えながら殻を割る

カツン、カツン
卵がひび割れ
すきまから光が射し込み
眩しさに目をつぶる
ひかりがみちあふれ
美しい世界への邂逅
懐かしいあの場所への惜別
とめどなく涙があふれ
とめられなかった


       hello,world!

ようこそ、苦しみと愛に満ちた

          最低で最高の世界へ

7/11/2024, 10:31:34 AM

【一件のLINE】

人との関わりが心底煩わしいので
私は、LINEをしていません。

LINE。点と点を結ぶ線
繋がりたい人のための糸

便利になるということは
犯罪者にとっても便利になるということ。
誰かがいったそんな言葉がずっと引っ掛かっています。

誰とでも繋がれる。
あまりにも簡単に他人とつながる状態。
それはわたしには呪縛に近いもののように
思えるのです。
便利さと引き換えに、曖昧な境界や依存、繋がらない恐怖そういったネガティブなものに捕らわれるように思えるのです。

連絡先の交換を断る度に微妙な顔をされてしまいます。
相手にしてみれば、友達になろうという申し出を断られたような気持ちなのでしょう。
そのような状況が何度もつづき、私自身なんとも申し訳ない心持ちになるのですが、こればかりは仕方ありません。
私は信念を曲げるつもりがないのですから。

べつに負け惜しみや強がりではないのですが、きっと私はこの先もこのままなのでしょう。
LINEという糸で繋がれた人たちを、クモの巣のように張り巡らされた糸が私にはとても気持ち悪く思えてならない。

先ほど信念などと格好つけたことを言っては見たものの、本音の部分ではひたすらに面倒なだけ。
面倒くさいのです。繋がることが。
どうして人は皆繋がりたがるのでしょう?
どうして自ら自由を手放ししがらみにがんじがらめになるのでしょう
私にはわかりません。
理解出来ない自分が何かどうしようもない欠陥を抱えているようで悲しくなります。

というか、LINEやってないからやべー奴って風潮はやく終わって欲しい。(切実)

7/10/2024, 10:47:22 AM

【目が覚めると】

あなたの顔がピクセル化されモザイクになって弾けて消えた
今日の夢は最低だった
別れの追体験は
何度繰り返しても慣れるということはなく
わたし心を闇に蝕む
記憶にない経験
見たことのない知っている景色
あれは誰の目でみた世界なのか
誰の脳が処理した情報なのだろうか
わたしの心に刻み込まれて消えない刺は
また悪夢となって繰り返す
いつもなら望まない目覚め
今日だけは朝の光に救われた





【目が覚めると】

ずっと夢を見ていた
光の射さない深海で奇妙な魚と戯れ
月の裏側でウサギたちと餅をつく
月の顔に刺さったロケット
そこからでてきた
天文学者たちとおしゃべりをして
今は滅んだ地球の思い出に浸っていた
ウサギがついた餅を食べながらずっと

そして朝が来る
地球はかろうじて滅んでいない
眠い目を擦り伸びをする
珈琲の香り
目玉焼きのじゅうじゅうという音
テレビの天気予報に気をとられた僕は
気がつかない
かすかに透明な深海の魚が
目の前を横切ったことに
月のウサギや小さな天文学者が
マグの影に隠れたことに

カーテンをあける
まぶしい光が部屋を満たす
完全に消えてしまった
明け方の夢の残滓

7/9/2024, 10:23:45 AM

【私の当たり前】

特別じゃないわたしの日常
ありふれた昨日
あふれかえるたくさんの普通
たくさんの普通をレンガのように
積み重ねて並べて道をつくる

黄色いカラス 赤い草原
透明な本棚には燃える本が並ぶ
ありふれた日常
蝉時雨が聴こえる
明日は雪が降るらしい
空をみると今日も元気に泳ぐ金魚
たくさんの普通をレンガに変える

みんなが通る道
わたしだけの道
未知なる未来が広がってる
当たり前の明日
続く道、続く道
誰かの歌に 悲鳴に
ステップを踏みながら
明日も行く道
それがわたしの当たり前
まるで悪夢のようで幸福な道程

Next