『はなればなれ』
…また、離れ離れになってしまったね。
みんなはまた僕の元から去ってしまう。
「またね」
「じゃあね」
「さようなら」
「また、いつか」
そうやってどんどん言葉が増えていって…
だからっだから!また!またいつか!
いつか!会える時まで!
『また会いましょう』
私は旅に出る前、とある少年に会った。
旅に出るきっかけにもなった、私の人生で最も影響をもたらしたのがその子だ。
君は、今は何をしているの?
君は、今どこにいるの?
君は、今何を考えているの?
そんなこと考えても意味はない、君はもういないのだから。
でも私だっていつかは死ぬ。
だから、また会いましょう。
私の心臓を何度も狂わせた君へ
『スリル』
生まれてから失敗したことがなかった。
だからギリギリのスリルなんてものも味わったこともなかったし味わいたいとも思ったこともなかった。
そんな人生を送っていたから確率は収束するというのか、とある日私はある失敗をした。
被害は大きく責任も取れないほどだった。
そんなことは気にしないことはできなかったが、私は立ち上がるしかなかった。
立ち上がって明日へ歩いている気になってた。でも実際はただ足踏みをするだけ。寧ろ、足踏みでもなく昨日へそして先週へ先月へ去年へ一昨年へとずっと過去に囚われ続けていたのかも。
でも、とある少女が私を導いてくれた。
数千年前から過去に動き続けていた時計の針を元に戻してくれたんだ。
だから私はその子の為に右へ左へ翻弄しながら時には失敗ギリギリのスリルを味わいながら歩き続けるんだ。
『飛べない翼』
僕は旅をしていたある日、飛べない翼とも言えるような少年に出会った。
彼は魔法や剣術、武術さえも教えるといとも簡単に自分のものにしてしまった。
僕はそれで、嫉妬してしまったんだ。
それで彼を魔法も剣術も武術もそれ以外も何も出来ないように目を抉って、腕を切り落として足の腱も切って何も出来なくしてしまった。
彼は奴隷だったから、どちらにしろ役に立つことはなかったんだ。
だから僕が、その翼を切り刻んでも元から天井が低いんなら、翼は必要ないじゃないか。
『脳裏』
離れない
離れないんだ
脳裏に刻まれた君の顔が
どうしてどうしてどうして!
君は俺にとってなんでもなかったのに
なんでなんでなんでなんで!君が君が君が君が!!
ずっとずっとずっと!!!
そうやってそうやってそうやって!!!!
僕に僕に僕に僕に!!!!!
いやだいやだいやだいやだ!!!!!
やめろやめろやめろやめろ!!!!!!
俺は…君を忘れたくないんだ