『胸が高鳴る。』
今、私たち2人は、
とんでもなく小さな世界で生きている。
誰でも出来る、ほんのちょっと普通から逸れた日々。
聞こえは格好良いけど、
実際はたまに2人で学校サボってるだけのこと。
少し遠い神社とか、海とか…。共通の推しの聖地とかも行ったっけな。電車に揺られながら座って、お互いに肩を預けあう時間が何気に好き。
いつまたサボるか予定表を見て話し合う時、
電車のホームで人見知りのあんたが
私の服の袖をつかんでくる時、
お揃いのブレスレットを映して写真を撮る時…。
家族とも友達とも親友とも相棒とも、強ち、恋人とも言えちゃうあんたと出かけるのは、毎度、知らない土地へ向かう高揚感も相まって胸が高鳴っていた。
そう。知らない土地へ向かう高揚感も相まって。
いつまたサボるか
手元の予定表を横から覗き込まれる時、
電車のホームで人見知りのあんたが
たまに私の手を握る時、
お揃いのブレスレットを映して写真を撮った後
腕にあるお揃いをやけに嬉しそうに見つめる時…。
この時も胸が高鳴るのは…きっと、
旅行気分の残った熱に浮かされてるから、だろう。
きっと、きっと、そう。
あんたがお揃いのブレスレットを見つめる意味なんて考えちゃいけない。家族とも友達とも親友とも相棒とも恋人とも言えちゃうんでしょ?
ダメダメ。
「この距離感が心地良い」なんて言い合ったじゃん。
そうだよ、そうそう。寧ろこれが良いの。
『……末期かなぁ。』
冷たかったブレスレットが、少しだけ熱を持っていた
『ずっと隣で』
病めるときも健やかなるときも
ずっと隣であなたを愛し続けてきました。
あなたが他の誰かに恋焦がれようと
それを相談され私の恋心が踏み躙られようと
その座が欲しくて欲しくて堪らなくて
どんな状況になろうとも耐えてきたのです。
なのに。
なのに、まさか1人でバームクーヘンを
食べる日が来るなんて。
学生時代、あなたは窓側の席でしたから
白のカーテンが風で揺れ、あなたに靡いたとき
柄にもなく花嫁のベールのようだと思っていました。
……今じゃどこの馬の骨かも知らない男の為に
純白を纏っていますが。
…ウェディングベールの役割を知っていますか?
あなたのことですから「可愛くて綺麗」としか
思ってないんでしょうけど、
魔除けの役割があるんですって。
本当かも知れませんね。
今私はあなたの元から去ろうとしてるのですから。
あぁ、何というショーなのでしょう。
この関係は死が私たちを分かつまで続いては
くれませんでした。
……もう二度と会えないと良いですね。
『愛−恋=?』
愛から恋を引く…
そんなことをしたら
あの人に恋してる私には
何が残るのだろう?
『どこまでも。』
嫌な記憶っていうのは、ずっと残る。
後悔や、したくなかったこと
されたくなかったこと。
そういう記憶程、鮮明に覚えていて
ふとしたときに思い出すもので。
一体いつまで抱えていなきゃいけないのでしょう。
どこまで持っていけば良いのでしょう。
どうすれば…
教えてもらって解決するのなら、苦労しませんよね。
『答えは、まだ。』
あなたの口癖。
あなたの好きな色。
あなたの趣味。
あなたの苦手なもの。
ーこうやってあなたのことを考えてるだけで
幸せでいっぱいになるんだ。
別に答え合わせなんて求めてないの。
あなたの側で、あなたすら知らない
あなたのことを考えて、
知っていくのが好きなだけ。
あなたの全てを知って
あなたの一番の理解者でありたい。
…とか、絆され過ぎかな。