『胸が高鳴る。』
今、私たち2人は、
とんでもなく小さな世界で生きている。
誰でも出来る、ほんのちょっと普通から逸れた日々。
聞こえは格好良いけど、
実際はたまに2人で学校サボってるだけのこと。
少し遠い神社とか、海とか…。共通の推しの聖地とかも行ったっけな。電車に揺られながら座って、お互いに肩を預けあう時間が何気に好き。
いつまたサボるか予定表を見て話し合う時、
電車のホームで人見知りのあんたが
私の服の袖をつかんでくる時、
お揃いのブレスレットを映して写真を撮る時…。
家族とも友達とも親友とも相棒とも、強ち、恋人とも言えちゃうあんたと出かけるのは、毎度、知らない土地へ向かう高揚感も相まって胸が高鳴っていた。
そう。知らない土地へ向かう高揚感も相まって。
いつまたサボるか
手元の予定表を横から覗き込まれる時、
電車のホームで人見知りのあんたが
たまに私の手を握る時、
お揃いのブレスレットを映して写真を撮った後
腕にあるお揃いをやけに嬉しそうに見つめる時…。
この時も胸が高鳴るのは…きっと、
旅行気分の残った熱に浮かされてるから、だろう。
きっと、きっと、そう。
あんたがお揃いのブレスレットを見つめる意味なんて考えちゃいけない。家族とも友達とも親友とも相棒とも恋人とも言えちゃうんでしょ?
ダメダメ。
「この距離感が心地良い」なんて言い合ったじゃん。
そうだよ、そうそう。寧ろこれが良いの。
『……末期かなぁ。』
冷たかったブレスレットが、少しだけ熱を持っていた
3/19/2026, 11:39:08 PM