お話

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12/1/2024, 1:27:54 AM

お題→「泣かないで」

君は私に向かって、「笑って」と言ってくれるけどその言葉を聞く度に私は、君の前では常に笑ってなきゃいけないという謎の考えに締め付けられる。
だから、私は今日も君の前で作り笑いをしてやり過ごすのだ。例え作り笑いだと君が気付いてくれなくても君が笑ってくれてれば私はそれでいいのだ。
「ほんとにそれでいいの?」
誰かにそう言われた気がしたがきっと気のせいだろう。
私は、自分の心に鍵をかけて今日も君と過ごすのだ。
「ねぇ、自分の心に鍵をかけて鍵のかかった心で泣かないで…。」
また、誰かにそう言われた気がしたが今度も、また気のせいだろう。
だって、私は作り笑いをしていつも大丈夫なフリをしていなければいけないのだ。



お願い。私を助けてあげて。私は私に泣かないで欲しい。
私はあの子の別人格にしか過ぎないから。

11/29/2024, 8:42:21 PM

お題→「冬のはじまり」

私たちが付き合って3年目の冬。「それ」は突然訪れた。
「もうすっかり寒くなって冬らしくなってきたね。」
「そうだね。」
そんな会話をしながら、私たちは帰り道を一緒に歩いていた。
「今年のクリスマスとかお盆は何して過ごそうか。」
私が、笑顔で貴方の方を見ながら聞くと貴方は、悲しそうな顔をしながら口を開いた。
「ごめんね。私はクリスマスまでしかあなたと一緒に居れないの。」
そういった彼女は今にも消えてしまいそうだった。
私は、彼女が言った言葉の意味を理解出来ず戸惑ったが、戸惑いを隠すように笑顔を作り貴方の手を握りながら言った。
「またまた!そんな暗い冗談言ってどうしたの?もしかして何か嫌なことでもあった?」
そういうと貴方は少し驚いた顔をした後、私の手を強く握り返して来た。
「ううん。なんでもないの。今度書こうとしてる小説にこういうセリフどうかなっていきなり思い出して言葉にしちゃったの。」
そういうあなたに対して私は
「そうなんだ。あ!次の小説も楽しみにしてるね!」と返すことしかできなかった。
その後の帰り道は2人とも手を繋いだまま家に帰った。

「 何かが始まれば何かが終わる。」

冬の始まりと共に、私の終わりが近づいていると感じた。きっとあなたは沢山泣いてくれるだろう。
でも、私はあなたの涙を見るのは嫌だからこんな終わり方を選ぶしか出来なかった。ごめんね。
ずっと、あなたの事が大好き。誰よりも大好き。

でも、安心して。私はあなたであなたは私だから。

11/28/2024, 8:04:35 PM

お題→「終わらせないで」

君は、私の言葉になんて耳を傾けずに手に持った刃物で自分を刺し殺そうとした。
私は、刃物が彼に刺さる前に彼のことを押しのけたがその反動で君が持っていた刃物が私に突き刺さってしまった。すごく痛かったけど痛みよりも君がこの痛みを味わわなくて良かったという安心感の方が強かった。
「ねぇ。君。お願いがあるの。」
私が薄れゆく意識の中で声を振り絞ると君は、ハッとして我に返り涙を流しながら私のことを抱きしめた。
「私はね…君に生きてて欲しいの自分の手で自分の命を終わらせて欲しくないの。私との楽しい時間や思い出を…終わらせて欲しくないの。そして…これからの君の人生を…」
私が話している最中彼が何かを言っているようだったが残った意識では上手く聞き取れなかった。
「泣かないで。そして、これは私の最初で最後のお願い。私が居なくなっても…私との思い出や君の人生を終わらせないで。」
言い終わると私は君の腕の中で静かに眠りについた。