小指の付け根の横のところが擦り切れて痛くって、うまく歩けなくなるまでは幼さが代わりになった。
「なくなってはじめて気付いてばかりでは何も意味はないんだよ。」
そうかな。
夜明けの空に消えていく星々より美しいものばかりなんだけど不安なばかりなんだ?あの星を落としてみせたら考えなくていいことばかりだ。この重力で。笑顔になってくれるなら靴底が擦り切れるまで走るからさ。半年は掛かると思うけどさ。
優しい魔法で地獄を見せてよ。月の石を掴んで。肩にかかる詩吟の温度だけが秘密の合図だった。きみをこの世界でたった一人にするための冒険譚のための犠牲になる準備を、バックパックいっぱいに詰め込んだ。
覚悟だった。
未来が今を決めるために存在しているんだとしたらどうしちゃう?くだらない乱数調整みたいな日々をさ、これから一体どうしちゃおっか。スマホから聞こえる泣き声に優しい言葉を探して過ごす深夜。支えになったとしてそれに意味はあるのかな。ただただ空を飛んで過ごす。
もしかして、何億の可能性が偶然だって思ってる?過去からの逆行が真実だとしたら、Q.私の今日のお昼ご飯はなんだったでしょうか?ハンバーガーだよ。玉ねぎがたくさん挟まったトマトソースのハンバーガーだったんだよ。幸せな記憶は話してあげなかった。つまり線引き。ピクルス的な存在。
笑えないなあ、これが私のエレメント?最初から配られたカードじゃつまらない話しか組めないかなあ。それって能力不足かな。イエス・キリストみたいな人生を送りたいな。聖人じゃなくていいから。
誰一人存在していなければいいのに。この人生を覗く第三者がいたらいいのに(18禁作品でないとして)。この世界に蔓延る悲劇も惨劇も全部作り物なんだとしたら、悲しまないでいられるかな。無理だろうけどさ。洞窟に影が伸びて、私達は影絵に勤しむ人生を送る。作り物に差した。慈しんで。逆光を。
弱くなくなるのが怖いよぉって言ってる人にどう声を掛けたらいいんだろう。誰かにとって誰かっていうのは須らく無力だね。溺れている人に手を差し伸べたら水に引きずり込まれてしまうことがあるなんていうけれど、結局2人とも助からないんだもんな。
風邪を引かないように気をつけてね。って言って意味のある人じゃない。君に欠けた部分はここじゃないから、時間の無駄をしているなあ、っておもう。
意味がないんだもんね、全部。君にとって都合の良いことはどうも信じられないんだろう。消えたような気分で話せなくちゃ、ね。
見たことのある看板の建物の中身が、何の変哲もないオフィスみたいだったら少しがっかりしてしまう。天窓のある建物はいまでも少し特別に見える。バスから見た枯れ木の群れがゆったりと前後関係を変えて、世界は丸いんだと思ったな。明日の朝は早いんだって言い損ねたまま話をしてる自分の非道いところに蓋をして暮らしていくよ。
ひとつのものをたくさんで共有するときにはさ、どこにも敵を見つけられなかったらいいね。たぶんすぐにでも作れてしまうくせに、ずうっと見つけられないままでいたいな。すべてを知ることが幸福への筋道…ではない…って証拠が世界に山ほど散らばっているからちょっと扱いに困る。
外がすぐに暗くなってしまう季節になって、別に終業時間は変わらないし、誰も一人じゃないと思うけど。一人だって思っている人が凍えているのをどれだけ身を切っても助けられないから、みんなちゃんとコートを着込んでね。
曖昧の中に浮遊していたい。だって、物事を終わらせるのにそんなにつまらない言葉ってないよ。これまで何を頑張りましたか。って言われて、受験勉強です。って答える時空みたいに歪んでいなくて。
どこまでも遠くへ逃げられるようになってきたけれど、世界の果てまでも追いつけるようにもなってみたらしい。時空間移動なんてしないまでも、世界の端から端まで随分近しくなった。
同じくして、さよならの言葉が重力を失ってから随分久しい。二度と会えないなら、それは意思だった。つまり、二度と会わないということだ。あまり強い言葉は使わないでいたい。不可能という宇宙を失って、随分自由でなくなったから。