青い青い
目をつぶる。何の隔てのない真っ暗闇
目をつぶる。光が透ける、橙色の仄かな炎
目をつぶる。そこは、
青、青、青、ただひたすらに青
狂いそうになるほど真っ青な視界。無音の空間に放り込まれた時特有の耳鳴り。
聞こえる鳥の泣き声は一定のリズムを刻んで私の口から流れ出る。
一瞬の静寂の後の爆音、いや、歓声?
そのとき急に視界が開ける、緑のトラック、赤が目立つ観客席、狂いそうになるような、青空、
嗚呼、勝ったのか。
巡り逢い
津々浦々、隕石が落ちてきた
その衝撃たるや、世界が白黒に見えた。
負けたと思った。貴方に会った瞬間、もう死んでもいいとさえ思った。
ただ、貴方が死ぬまで貴方でいるのなら、死ぬまで一緒で、それで良い。
あなたは誰
あなた、そこのあなた。道を教えておくんなし。そう、そこのあなた。花畑にはどう行くのです。ねえ、そこのあなた。あなた様。教えておくれ。あなたが教えてくれなけりゃ、どこへも行けやしないのですから。
ええ、ええ。そうでござんすか。この丘を上がって、そのまま歩けばたどり着くと。あの、虹の麓の花畑にたどり着くと言うのですね。わかりました。ああ助かった。これでようやくあの方に会える。やあ嬉しい。嬉しい。ありがとうございます、優しいあなた。
heart to heart
『さあ、あたくしの心臓を差し上げますわ。ですから、ねえ、あなた様の心臓をくださいな。』
「うん、そうだね。いいよ、貴方の心臓を貰ってあげる。だけれどもね、俺の心臓は俺のものだ。貴方には渡さない。」
『まあ、かなしい。』
「かなしい?なぜ。おまえは俺に貰ってほしいのだろう?俺の心臓も貴方の心臓も、俺のものだ。それの何が、かなしい。」
『その傲慢さ。美しさ。腹を割ってはじめて分かるあなた様の心臓。それを、見ている人に知られてしまうことが、腸が煮えくり返るほど。とってもかなしい。』
わぁ!
なんてことない貴方の口癖、真似してみたら面白い。驚いたとき、驚かすとき。少し傷ついたとき、傷つけてしまったとき。わぁ、つけると少し、和らぐのね。わざとだったのかしら。
『わぁ!ばれちゃった』