三羽の鶴

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heart to heart

『さあ、あたくしの心臓を差し上げますわ。ですから、ねえ、あなた様の心臓をくださいな。』
「うん、そうだね。いいよ、貴方の心臓を貰ってあげる。だけれどもね、俺の心臓は俺のものだ。貴方には渡さない。」
『まあ、かなしい。』
「かなしい?なぜ。おまえは俺に貰ってほしいのだろう?俺の心臓も貴方の心臓も、俺のものだ。それの何が、かなしい。」
『その傲慢さ。美しさ。腹を割ってはじめて分かるあなた様の心臓。それを、見ている人に知られてしまうことが、腸が煮えくり返るほど。とってもかなしい。』

2/5/2025, 2:00:34 PM