ハナムグリ

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7/19/2024, 2:13:43 PM

私の視線の先には、いつだって私の宝物がいる。

小さな頃はうっかり死んでしまわないように見張っていたし、少し大きくなってからは一瞬一瞬を見逃さないように見つめていた。

同じだけ私の事を見返してくれたけど、最近はその視線の先に私はいない。

大きくなったね。

少しずつ距離を測りながら、これからもずっと見守っていく。

7/18/2024, 1:26:21 PM

私だけの世界がある。

そこは特に贅沢でもなく、美しい訳でもなく、楽しい所でもないけれど、誰にも邪魔できない、誰にも文句を言わせない、誰にも侵せない、私だけの世界。

ここに帰ってくると、心から安堵する。人目や常識なんて物もなく、私だけがいて、全ては私の自由だ。

何を思ってもいい。どんなに独りよがりでも、暴論だって構いやしない。踊りだしたくなる位の自由。

だけど、毎日朝になれば渋々外に出る。まあいいだろう。私の中にはいつだって帰れる、私だけの世界があるのだから。

7/17/2024, 2:59:29 PM


人生も長くなってくると、過去に本当に起きた事なのか、それとも夢に見た事なのか、妄想の中だけの出来事なのか、曖昧な記憶がいくつかある。

若い頃、仕事で毎日のように初めて行く場所を訪れていた。
東京のどこかではあったはずだが、住所も最寄り駅も全く覚えていない、とある場所の記憶がいつまでも忘れられずにいる。

仕事を終えた帰り道、春だった事もあり、小高い丘の上に満開の桜が見えた。
そう長くはない階段が上まで続いており、公園でもあるのだろうと、立ち寄る事にした。

階段を上がって開けた場所に出ると、そこは思っていたような公園ではなく、丘の上の平らな土地に、森の木々の様に自然な感じで満開の桜が立ち並んでいた。
木々の間を縫うように、それ程広くない土地の中心あたりまで行き周囲を見回すと、そこは夢のように幻想的な美しい桜の森だった。

降りしきる花びらの中、暫く見惚れていたのだが、私の他には誰の気配もなく、つい先程までいた階段の下とは別世界のようで、人の世ではない場所に迷い込んでしまったような、心細い、怖いような気持になり、少し慌てて引き返した。

階段を降りて元いた道に戻ると、怖がっていた自分が少し可笑しくなり、誰か誘ってまた来よう、と思った事を覚えている。

しかし、その後再び訪れる気になる前に、あの桜の森がどこだったのか、そのうち現実に起きた事なのかも曖昧になり、二度と行くことは出来なくなってしまった。

遠い日の記憶。

7/16/2024, 1:23:16 PM

入道雲を見つけると、今年もまた夏が来たなぁ。と、幾度もの夏に思いを馳せる。

星がたくさん出ているのを見ると、子供の頃に家族で天の川を探したことを思い出す。

カラスが山に帰ってゆくのを見ると、カラス達それぞれの暮らしを想像してしまう。

人の数だけ、更にはその人の想いの数だけ、空には物語があるのだろう。

7/15/2024, 4:06:28 PM

これでもう終わりにしよう。
そう思ったそばから、つい、あと1日だけ。あと30分だけ。もう一回だけ。もう一個だけ。と、何かがやめられなかった経験は枚挙にいとまがない。

そういう時は、結局本当は、やめたくなどないのだ。

ほどほどにしておいた方がいいと言われている事、あまりやらない方がいいと言われていること、世の中にはたくさんあるけど、全てにおいて品行方正に、お利口さんに生きていくことなんて出来やしない。

そう結論づけたはずなのに、これでもう終わりにしよう。と、懲りずに言い出すのは時間の問題なのである。

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