「別れ際に」
別れ際に「また明日ね」と言えた学生時代
今はなかなか言えない
「通り雨」
ふと雨の匂いがする
急いで自転車のペダルを漕ぐ
雨には濡れなかったが、結局汗でぐっしょり濡れるのだった
「秋🍁」
銀杏の葉が紅葉する頃
友達が公園に落ちている銀杏の葉を一枚拾い、器用にウサギを作ってみせた
小学生だった私はそれに感動し、作り方を教えてもらった
葉を三等分に割いて、茎を葉の中央にぷすりと差し込む。そのまま引っ張ればウサギの顔の完成である
銀杏が黄色く色づき、街に黄色い絨毯が出来上がる頃
また今年も黄色いウサギと器用な友人の事をふと思い出す
「窓から見える景色」
車のフロントガラスが汚いなあと思い、出発前にレバーを引いてウォッシャー液をかける
気が済むまで何度かかける
一緒に乗車していた子どもが「えっ。なにそれ!」と聞いてきたので
「お母さんは車の窓ガラスが汚いなあと思ったから魔法を使ったのよ。車から水を出して窓ガラスを洗う魔法よ」と答えておいた
運転免許さえあれば誰でも魔法使いになれる素敵な世界だ
「形の無いもの」
10代の頃、それなりにお人好しだった
なんとなく相手に舐められてるのを感じる事はできても、その時だけのヤダな〜くらいの感情しかなく時間が経てばどうでも良くなっているタイプだった。寧ろ遊んでくれてるくらいの感覚だった
大人になり、それなりに経験も積んで相手の良し悪しも分かるようになった。若干人間不信にもなったが、主な判断基準は“言動や行動が信用できる人か”である
私の周りでは、こちらを良いように使ってくる癖に感謝がない奴はだいたい人に厳しく自分に甘い。酷い時にはダブルスタンダードを平気でかましてこちらが悪いように言ってくる
10代の頃はお互い未熟だったので、私も大概のことをやらかしているしお互いさまかなと思うのだが、大人になってもそのレベルで止まられると信用を失くさざるおえない。それと一番厄介なのは、こういうタイプと一緒にいると本当に大切にしたい友人や家族にも被害が出る事も少なからずある事である
自分のしたいように勝手にすれば良いけれど、自分の言動や行動に責任が取れない分は信用を失う事で支払ってるからね
大人になり自分を守る事を覚えた私は、信用できない相手とは付き合わないのである