高校卒業の日、先生は言った。
「人生は選択の連続です」
その後に続く言葉を思い出すことができない。
卒業してから今まで、確かに選択の連続だった。
時に自分にとって、間違った選択をしてしまった気もする。
先生はあの後何て言ったのかな。
迷う時もあるけど、自分で決めた道を信じて進んでほしい。
そう言ったのかな。
わたしは自分の道を信じきれなかった。最後まで自信を持てなかった。
選択を間違ったのではなく、正解にしていける力がなかったということか。
今を生きる事に精一杯なわたしにこれから先、どんな選択が待つのだろう。
突然降り出した雨の中
傘のない私たちは
公園のベンチまで走った
あそこには屋根があるからと
君は私の手を取り走り出したんだ
公園に着いてすぐ雨は上がり
通り雨だったねと
君は笑った
初めて繋いだ手の感触に
私の鼓動は高鳴ったままだった
秋のイベントの中で、気になっているのが紅葉狩り。
『狩り』には山野で花や草木を観賞するという意味もあるらしい。
桜は毎年神社や公園で観るけれど、紅葉は観に行ったことがないなぁ。山登りもしたことがない。
紅く黄色く色付いた葉は鮮やかで美しいのだろうな。
6階に住む部屋の窓からは、遠くに新幹線が走行する姿が見える。駅に近い位置であり、右へ行く新幹線も左へ行く新幹線もその速度は緩んでいる。
新幹線を見かける度、わたしは「お〜い!」と言いながらバンザイをして手を振る。速度が緩いとはいえ一瞬で通り過ぎる新幹線の窓に向かって。
「何してんの。そもそも遠すぎて見えるわけない」と母も呆れてる。でもいつかさ、あのどれかの窓から景色を見ている誰かが気づいてくれるかもしれない。なんて馬鹿げたこと言いながら、「いってらっしゃい」「おかえりなさい」を込めて大きく両手を振っている。
風邪をひいた。現在の体温37.7℃。
こういう時に限っていつも行く医院が休診日。ついてない。
久々の風邪の症状にちょっと気も滅入る。普段、健康に過ごせるのって幸せなことだよな。当たり前のように思うけど、実は当たり前じゃない。
幸せは気付かないうちにそこにある、形の無いもの。