にゃんこめし

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6階に住む部屋の窓からは、遠くに新幹線が走行する姿が見える。駅に近い位置であり、右へ行く新幹線も左へ行く新幹線もその速度は緩んでいる。
新幹線を見かける度、わたしは「お〜い!」と言いながらバンザイをして手を振る。速度が緩いとはいえ一瞬で通り過ぎる新幹線の窓に向かって。
「何してんの。そもそも遠すぎて見えるわけない」と母も呆れてる。でもいつかさ、あのどれかの窓から景色を見ている誰かが気づいてくれるかもしれない。なんて馬鹿げたこと言いながら、「いってらっしゃい」「おかえりなさい」を込めて大きく両手を振っている。

9/26/2024, 6:33:28 AM