お祭り、私の楽しみの一つだ。
皆がワイワイしている声や色々な屋台が並んで
どれに行こうか迷うのもまた一興。
私には、必ず行ってしまう所がある。
飴屋さんだ。甘くてそして果実を堪能できる物は
他にないと思う程好きだ。
"いらっしゃい、
お嬢さんにはオマケでもう一つあげるよ~。"
店主の気前が良いのもまた好きなんだ。
"毎年ありがとうございます。"
そう言ったら、店主が照れながら私に紙を渡した
内容に驚きつつも私も嬉しかった。
"こちらこそ、今後もよろしくお願いします"
手紙の内容はこうだ。
"貴女が毎年買ってくれて嬉しかったです。
笑顔が素敵で惚れ惚れしていました。
良ければ僕を彼氏にしてくれませんか?"
全く、待った時間は長いけど
ようやく結ばれたんだ。
もう水飴みたいに練りすぎないでね。
神様が舞い降りてきて、こう言った。
"貴方を救済してあげましょう"
救済?なんで必要なんだと思いつつ質問をした。
"俺が何をしたんだ?
生きるためにしている事でもか?"
そう。
救済は俺たちの世界では、殺戮の時間と同じだ。
"だって……貴方は神殺しですから。"
前世が神殺しだからか。は。笑わせるな。
いつ何処でやったんだろうな。
あ、あれか。
あの輪っかがギザギザした奴か。
"無理でも救済して母胎に還ってね。"
その時に俺は体から力が抜けて動けなくなり
光が指した後に見えたのは悪夢だった。
"私の愛おしい子よ。"
早くこの中から連れ出して、
そして、自由を俺に。
頂戴よ。
誰かのためになるならば、私は何を犠牲にしても
厭わないことを知っている。
分かっているだろ?
お前や小さな命も使うことを。
誰かのためにとは言ったが誰は
貴方しか居ないのだから。
貴方自身に身を捧げるように
何でも尽くして上げたいんだ。
だから、その場から逃げないでよ……
"貴女は僕を置いて逝ってしまった。"
あの場から居なくならなければ安全なのに…。
悔しいよ…。僕は寂しいのに…。
新しい鳥を見付けに行かなければ。
誰かのためにも終わらせなければ。
風が今日も寒く感じさせる。
"大罪人よ、自由であれ。"
懐かしい声が聞こえた。
え?
なんで君が…。
"貴方を死ぬまで見ています。"
罪と愛情は紙一重である。
知らぬが仏、見て見ぬふりをして過ごしてね♪
鳥かごから貴方を見ています。
貴方はどうしてこんな事をしたのか
私には分かりません。
寂しかったのですか?怖かったのですか?
一人が嫌で人恋しくなったのですか?
私はその答えを知りません。
鳥かごから見た私はどう貴方に写っていますか?
儚いですか?綺麗ですか?可愛いですか?
他の人に見られたくなくて
こうして軟禁をするのですね。
私には窮屈です。
早く鳥かごから出して下さい。
そして、この部屋から飛び出して鳥のように
羽ばたいて何処かへ行きましょう。
"そんなにも僕は駄目でしたか?"
何でかって?
私にはまだやるべき事があるんだ。
"幸せも知らずこんな事しか出来ない
貴方は愛せません。さようなら。"
人生を変えてまでこの人とは居る意味はない。
人よ、
自由に羽ばたく権利は誰にも取られやしない。
だから、諦めるな、逃げるな、
自由の切符を取り戻せ!!
私のようにならないでね。
走馬灯が見えた後に地面が見えた。
グヂャ。
温かい液体、肉片、肉塊しか
そこには残らなかった。
友情、儚く脆いものである。
私はそう思っている。
何故か?
それは、人間観察をしていると分かるのだ。
いつか別れて変わるのに接しているのだろうか。
私もその一人ではあるが寂しいものである。
人生には何事も運命に左右されやすい。
と神は言っている、そう信仰している人も居る。
頭がおかしい人も居る、この世は不思議なものだ
どれでも、神の気まぐれで変わるくせに、
俺は知っている。
それは、普通は見えないものでさえ
見えてしまう変な能力である。
何を言ってるか分からない地縛霊、天使、悪魔
神様でさえ、見えてしまう。
それは、真理の目とも言われている。
"なんで僕に来るんだよ、神様。"
そう、空に向かって言ったらふわふわする感覚が
流れてきた。嫌な気分ではなく何だか……
"ね-!!遊んでよ!!"
懐かしい記憶が流れてきた。何で今なんだ…?
もしかして…?
"記憶は人生を変える、パーツである。"
思い出した。
あの子は…約束をした人だった……。
約束は、生きている内に見つけてね。
忘れてしまってごめん……また君を探すよ。
いつまでも……。