『叶わぬ夢』
あの日吐き出せなかったままの熱を
やけに甘い添加物と一緒に飲み込む
溶けきった涙すら懐かしむように
私という形を思い出させるように
取り返しがつかなくなる直前で
一掬いの夢に中毒を起こす直前で
気持ちがせり上がってしまう直前で
爛れたままの私の喉が漸く音を立てる
今になって何故思い出したのだろう
目の前の景色が滲んでぼやけていく
今になって何故思い出したのだろう
聞こえてくる声で意識は濁っていく
今になって何故思い出したのだろう
今になって何を思い出したのだろう
『終わり、また初まる、』
間違えてしまったの
そう、間違えてしまったの
何をどこで間違えたのだろう
終わるということは、間違えたということ
間違えてしまったのだから、終わるということ
それだけ
ただ、それだけ
だから、この現状なの
今も間違え続けているの
ただ、不正解なまま
ずっと、不正解なまま
『星』
眩しかった
いつか溢れていた眩しさだった
いつか忘れていた眩しさだった
掴む、ひとつ
掴む、またひとつ
伸ばして、伸ばして、伸ばした手に
ようやく、ようやく、ようやく光が
ああそうか、変わらないのか
あの夜から、ずっとそこで
この今すら、ずっとそこで
けれどいつまでも同じままではいられなくて
そんな事、とすら思うことすら
ただひたすらに抱きしめてくれていて
『ラララ』
吐き捨てるように歌いましょう?
ああ、ああなんて楽しい人生なのでしょう
どうして私の全ては満ちているのでしょう
目は閉じたままに歌いましょう?
ああ、ああこれこそ私の幸せなのでしょう
どうして正しく生きられているのでしょう
踏みにじるように歌いましょう?
ああ、ああ嬉しくて仕方がないのでしょう
どうして笑うことに慣れているのでしょう
叩きつけるように歌いましょう?
ああ、ああ祝福すら続いているのでしょう
どうして今日も歌い続けているのでしょう
『風が運ぶもの』
誰からも忘れ去られた砂浜に
いつか必要とされていたものが流れ着く
こんなにも静かな海では
叫んで、叫んで、叫んでも
何にも返ってきやしなくて
泣いて、泣いて、泣いても
誰も気づいてやくれなくて
けれど確かに私はここにいて
未だに何かを待ち望んでいて