淡時間

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1/16/2025, 3:41:30 PM

『透明な涙』

綺麗に生きたかった

優しくなりたかった

強くなりたかった

愛してほしかった

ただ、認めて欲しかった


狭苦しい水槽の中は苔と水垢で溢れていて

滑稽な程増え続けている汚らしい泡ぶくに

早く諦めてしまえ、と言われているようで

無責任に更ける夜を抜け出せないままでいる

1/15/2025, 3:27:25 PM

『あなたのもとへ』

走った

苦しいぐらいの高揚感のまま

走った

溢れるぐらいの喪失感のまま

走った

名前で呼ぶあなたのことが好きだった

ただ、走っていた


心臓を潰すほどの私の浅い呼吸

汗が目に入り急激に冷える身体

全部忘れたかった

全部忘れていたかった

1/13/2025, 2:30:19 PM

『まだ見ぬ景色』

ぽつり、と雨の音がする

ブラインド越しに見えた空が

いつだって息苦しくて怖い 怖いのだ

この気持ちはどうしてだろう

触れもしないのにどこにあるのだろう

1/9/2025, 1:55:02 PM

『星のかけら』

点滅する信号機が目にとまり、ふと思い出す

高いビル達もカラオケのマイクも映画のポスターも

きっとあなたの隣だからすべて輝いていたのだろうか


思い出を砕いて空に放り投げる誰かが

揺れ続ける歩道橋の上から涙を流している

強すぎる風に誘い込れるように遠く浮かんでは弾けた


やけに大きい月の隣に置いてかれた星の欠片が

信号機に負けそうなほど弱々しく輝いていた

1/7/2025, 3:03:35 PM

『追い風』

めいっぱい息を吸い込んで

めいっぱい息を吐いてみる


冷たい風が擦り傷を優しく撫でる

解けた靴紐をゆっくり結び直した


めいっぱい涙を吐き出して

めいっぱい笑い声に変える


誰かとすれ違った気がして、振り返る

私を追い抜かす風が、ただ冷たかった

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