淡時間

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11/22/2024, 6:57:17 AM

『どうすればいいの?』

11/20/2024, 12:46:33 PM

『宝物』

小屋の奥で蜘蛛の巣を張り巡らし

漏れた灯油でストーブを浮かせる

不貞腐れる水道管はクリスマスを待ちわびて

無理やり開けた窓で包帯を固結び

本棚だって泥まみれの靴を履くさ

夢見る姿見にステージメイクも割れて

玄関マットにとびきりのペンキを塗ったら

スポットライトだけで特別感をご招待


さあ合鍵をどうぞ

今更何をお探しになりますか?

11/19/2024, 12:26:53 PM

『キャンドル』

光なんてものには種類があって

私が追いつけない速度で照らすそれは

こうやって自らを削り、いとも容易く消える


人為的な熱が翳る

もうすこし

受け皿はとうに溢れた

あとすこし

開かない窓に水滴がつく


蝋が、溶けゆく

まもなく、燃え尽きる

向こうに揺れる影が笑った気がした



11/18/2024, 12:00:15 PM

『たくさんの想い出』

あの日貸したチェキカメラの中には

綺麗なままのフィルムが残っていて


食べきってしまったチョコの缶には

切り崩した硬貨が代わりに入っている


掠れ萎れた記憶だけ、端から徐々に滲みぼやけ

思い出せぬままに、目からこぼれ落ちる


支柱を失っても生い茂る想い出は枝分かれして

腐りかけの果実にはもう手が届かなくなっていた


まだ光を求め続ける酷く甘い匂いの花に

私はまだ目を離せずにいる

11/17/2024, 11:55:51 AM

『冬になったら』

リストバンドの重みで目が覚める

整理しきらないままの記憶が目を伝い、滴った

飲みかけのコーヒーと、溶けきれぬ氷砂糖


窓から見上げた空の抜けるような晴天は

またどこかで降る小雨を嘲笑っている


時計を見やり、薬を飲む

氷嚢を、退けた

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