『叶わぬ夢』
あの日吐き出せなかったままの熱を
やけに甘い添加物と一緒に飲み込む
溶けきった涙すら懐かしむように
私という形を思い出させるように
取り返しがつかなくなる直前で
一掬いの夢に中毒を起こす直前で
気持ちがせり上がってしまう直前で
爛れたままの私の喉が漸く音を立てる
今になって何故思い出したのだろう
目の前の景色が滲んでぼやけていく
今になって何故思い出したのだろう
聞こえてくる声で意識は濁っていく
今になって何故思い出したのだろう
今になって何を思い出したのだろう
3/17/2025, 12:53:00 PM