淡時間

Open App
7/22/2024, 1:58:48 PM

もしも話は、もう飽きたかい?
タイムマシーンが欲しいかい?
もしもあったとしたら、
何時の誰に何したいんだい?
それとも見たい光景があるかい?

有り得た可能性に縋り、泣く今にさよならを?
はたまた、あの日感じた気持ちを、もう一度?
ああわかった。未知の何かにはじめまして?

ここで1つ聞きたくなる。
タイムマシーンを君に貸そう!と誰かに言われ、
あなたがタイムマシーンをもし使えたとして?
見たことを後悔するようなものを見たとして?
都合が悪い過去未来を見たとして?
あなたはどうする?どうなるんだい?
泣いてみるかい?怒ってみるかい?
笑ってしまうかい?
それとも、こう言うかい?
私は、今を、生きてる。
この過去があったから、今の自分がある。
もしその未来があるのなら、変えてみせる。
こんな出来事は信じない。信じたくもない、と。

いくら時間を司る機械を使ったとしても、
全員が望んだ結果が得られるとは限らない。

だがら私はこう考える。
あの日泣いた自分を、隠してはいけないのだ。
あの日笑った自分を、恥じてはいけないのだ。
あの日怒った自分を、悲しんではいけないのだ。
あの日から壊れた今を、歩まねばいけないのだ。
いくらでも分岐してしまう未来のために。

はたして、
所詮、空想の機械に、誰が、何を、求めるのだろう。

「今」を生きる人々も、
「過去」に縋る人々も、
「未来」に夢見る人々も、
等しく、皆、美しいのだ。

変えてしまった過去に、価値など、無い。
決められている未来に、価値など、無い。

それでも、
もしも、
タイムマシンがあったら、
あなたは、
どうしたい?

『もしもタイムマシンがあったら』

7/21/2024, 12:00:26 PM

今、1番、欲しいもの。

欲しかったけれど、終ぞ手に入らなかったもの。
あのテレビに映るヒーローが付けていた、ベルト。
見ているだけで心が踊るような、
使ってしまうのが勿体ないような、
色鮮やかな鉛筆たち。
誰にも邪魔されない、自分だけの部屋。

あの時、欲しかった、手に入れたかったもの。
友達が皆持っていて毎日遊んでた、ゲームカセット。
赤い丸がたくさんついていた、友達のテスト。
その人を表してくれる、
お手本のように書かれた、美しく綺麗な字。
ダブルス地区大会ベスト8の賞状。

手に入れたもの。今も大事にしているもの。
遠くへ出かけた時に買ってもらったぬいぐるみ。
成績が良かった時に買ってもらったあの本。
青春を費やして叩き込まれた礼儀。

今でも欲しくてたまらない、手に入れたいもの。
いつやるのかわからない、ゲームソフト。
置く場所のない、クッション型のソファ。
あの時「幸せになって」と電話で言ってくれた君。
今、誰よりも、真剣に、一緒に、幸せになりたい人。

今、欲しいものが無いなんて言わない。

けれど泣きじゃくってまで、手足で床を叩いてまで、
貰った財布からたくさんのお札を出してまで、
誰かを困らせてまで欲しいものが、今は無い。

けれど、そうだなぁ。
やっぱり、照れくさいけど、未練がましいけど、
かっこ悪いけど、思いたくないけど、
君の愛情が、心が、欲しかったよ。

7/21/2024, 3:53:24 AM

私の名前になど、意味は無いのだろう。
動物に付けられた個体認識のための記号に過ぎない。
やれ「太郎」だの「幸子」だの。
産まれおちた瞬間からの愛着のために、
私たちは、記号を、音を、付けられる。
所詮記号に、愛着を求められるのだ。
Mr.、Ms.、Mrs.、さん、くん、ちゃん、殿
多種多様の個体性別のための付加価値まで付けられる始末だ。
私たちは名前を呼ばれたら、
返事をしなければならない。
「はい」と。

だから思うのだ。意味などあってたまるか、と。
私を記号として認識する人々のために、
音で表されるもののために、
自分をすり減らしてはいけないのだ。
私は、
付加価値では無い、記号では無い、
私を見てほしいのだ。

『私の名前』