【星空の下で】
草原に寝転がり、空に手を伸ばす。
もちろん手には何も掴めない。
星空の下でそっと目を瞑る。
目を瞑っても瞼の裏には星空が広がる。
そよ風で丁度いい。
星空の下で僕は空想をする。
僕は空想をするのが好きだ。
頭の中では僕の行動を注意する人はいないから。
自分の世界に入って、好きなことを沢山する。
推しと喋ったり、テストで100点取ったりする。
でもやりすぎると大変な目にあう。
自分の世界に入りすぎて空想と現実が混ざってしまうのだ。僕は何回もなったことがある。
例えば名前とか。
こういう名前になりたかった。という時、
もしこの名前だったら…というのを空想する。
そして違う。僕の名前はこれじゃない。これは空想の名前だ。とふと本当の名前を思い出す。自分の世界に入りすぎてつい、空想の名前を現実の名前と間違えてしまう時があるのだ。
なんでこうなるのかは僕自身検討がついている。
僕は昔から話を自分のように考えるのだ。
物語の本だったら僕が主人公なら、友達が体験した話でも僕が体験してたら…と小さい頃から考えていた。
簡単にいうと、感情移入しやすいのだ。
いつか空想と現実が混ざってることに気付かずに生活する日がくるのか。そしてふらっと〇ぬのか。
そんな事も僕は空想する。
綺麗な星空の下で暗い空想をする。
【1つだけ】
1つだけどんな願いが叶うなら叶う代償に酷い目にあうことになっても、僕は叶えてもらう。
差し出された悪魔の手をとる。
【大切なもの】
〖大切なもの〗
合唱曲の1つ。
合唱祭で中1の頃歌った曲だ。
練習は大変だった。男子と女子で喧嘩はするし、歌い方に難癖つけて、陰で悪口を言うなど結構荒れた。
僕は指揮者として前に立ったが、やっぱり指揮者と伴奏者がそれぞれ1人ずつしかいないせいか悪口は沢山言われた。「指揮が下手」は分かる。合唱に重要な事だから。でも「〇〇キモイ」や「〇〇って変」など合唱に関係ないことまで言われた。
それでも指揮は辞めなかった。悪口を言った奴らのせいで辞めるのは僕自身嫌だったし、友達が「あそこちょっと駄目だったけど最初より上手になってる!」や「見やすいね。〇〇が指揮者で良かった」と言ってくれたからだ。
本番は緊張した。真後ろに先輩や先生、合唱団の先生、生徒の親など300人以上が見ていたからだ。
指揮している途中足が震えていることに気付いた。
少しパニックになったが、皆が笑顔で歌っているのを見て、安心し、僕も笑顔で指揮をすることが出来た。
結果は中1ながらも中3や中2を抑え金賞だった。
僕のクラスの合唱が終わった後先輩らの合唱を聞いた時は勝てないと思ったが、金賞をとれて良かった。
金賞をとった僕らのクラスは模範クラスとして、
もう1回歌うことになった。
その時僕はもう緊張はなく、足が震えることなく
指揮をすることが出来た。
〖大切なもの〗
この曲はきっと僕の心に残る曲だ。
困難があって、僕は何回も泣いたし、学校に行きたくないと思った。でも、それでも友達がいたおかげでいい思い出になった。
曲名と同じようにこの思い出はきっと
〖大切なもの〗になるだろう。
【何気ないふり】
「お疲れ様です」
そう言って手紙を渡す。
僕の部活には大会や舞台が終わったらお疲れ様ですという内容を書いた手紙を先輩や同級生に渡す伝統がある。
別に書かなくても大丈夫だけど皆やってる。
もちろん僕も。
本番途中、出番が終わった僕は同級生への手紙は書き終わって渡し、今は先輩への手紙を書いている。
先輩の出番が終わるまでに書き終わらなければいけない。よく話してくれる先輩4人ほどに手紙を書くことにした。
4人の先輩の中には僕の推しの先輩がいる。
好きな先輩じゃないからね!推しの先輩だから!
手紙を書き終わり、先輩が楽屋に帰ってきた。
何気ないふりをして、先輩に渡す。
「え!いいの!?ありがとう!」
あぁやっぱり先輩は可愛いや
【ハッピーエンド】
君にとってハッピーエンドでも他の人はバットエンドかもしれない。君にとってバットエンドでも他の人はハッピーエンドかもしれない。
そう思ったことある?
人によって基準は違うからエンドなんて人それぞれだよ。
例えば桃太郎なんてどうだ?
桃太郎側からしたら悪の鬼を倒して、宝物を奪い返した英雄、みんなが怯えてた鬼が村に来なくなってハッピーエンドだろう。
でも鬼側からしたら?
あの場に鬼の子供が生き残っていたら?
突然現れた人間に親、友達が殺され、宝物は無くなった。そしてその人間は他の人間に祝福された。
鬼側からしたらバットエンドだ。
誰かのハッピーエンドは
誰かのバットエンド
強い者は甘い蜜を吸い、
弱い者は何も残らない。
ハッピーエンドなんて
まさに弱肉強食だよ。