【心の健康】 ※医療関係、あるドラマを元に制作
「医者は体調管理や精神の管理も仕事の内ですよ!」
「…はぁ、なに研修医が指導医に指図してんだ」
新しく俺に研修医がついた。
こいつもすぐ辞めていくんだろう、そう思っていた。
ーだが、10年近くが経った。
「先生、この資料に目を通してサインください」
「…なに?もう俺はお前の指導医じゃねぇけど?」
「あっはは、そうでした。《恋人》でしたね。」
【麦わら帽子】
「今日、30℃超えてんだけど…」
「暑いですけど…水分やらタオルを持ってきましたよ!」
「俺が休みをいいことに、外に連れてきやがって…」
いつも外に出ていない僕の仕事場の先輩。
今日は天気がいいし、ずっと一緒に行きたいところに
連れていくことに成功した。
「…ひまわり畑、ねぇ…」
「はい、ずっと先輩と一緒に見に来たかったんです」
そう言って持ってきた麦わら帽子を先輩に渡した。
素直に被ってくれた先輩は、どこか儚さを感じた。
【つまらないことでも】 ※医療関係,長文
「…あの方は、僕の神様だ。」
僕の先輩はいつもそんなこと言う。
昔、先輩には尊敬する方がいた。
ずっと怠けてるしみんなからの信頼はなかった。
でも、腕は確かだった。優秀だったらしい。
「…でも、僕がこの手で殺した。」
その方は、ある病にかかり先輩に命を委ねた。
結果は、失敗に終わった。
今まで動いていた心臓は、もう二度と動くことのない。
ピー…と言う心電図だけが手術室に響く。
先輩はその手で尊敬する方を殺した。
「ずっと後悔している。
いっそ死んだ方がマシなんじゃないかって。」
そんな先輩はその経験後、
一度も患者を死なせたことはなかった。
【明日、もし晴れたら】
恋人がいた。健康的で元気のある人だった。
でもそんな恋人は、ある病に悩んでいた。
「胸が苦しい」
「またか…やっぱ病院行った方が良いって」
そう言ってもなかなか首を縦に振ってくれない。
恋人の胸を摩っていると、一言置いてこちらに身を委ねた
「君といると胸が苦しくて、恋しくなる。」
そう言うことか。やっと意図がわかった。
「……あっはは、それは“恋”だね。」
【だから、一人でいたい。】
「だから、一人にしてくれよ…!!」
「やだ!私は貴方と一緒にいたい。」
そう言って離れない、僕に好意を寄せている女友達。
「だからさぁ!!
お前にあいつの役が務まると思ってんのかよ!」
「それは…」
「口だけなら…もうその恋は叶わねえよ。」
僕の元恋人は、こいつを庇って死んだ。
こいつは悪くない。知ってるのに近づきたくない。
でも、こいつがいたから僕の恋人は死んだ。