【遠い日の記憶】
微笑みを現実で初めて見た気がした。
優しさが滲み出ている、暖かい目で。
貴方を想像するだけで 胸が高鳴って
貴方を見ているだけで 胸が高鳴って。
どうしよう、好きだな。
また会えると信じて、覚えていると信じて
運命の再会を望んでいます。
【空を見上げて心に浮かんだこと】
「…あっつ、」
夏も本格的になり、猛暑日が続いていた。
「…眩しいし…早く雲、太陽を覆ってくれよ、、」
…去年の今頃の夏、俺の親友は死んだ。
運動好きで、みんなから人気者でいつも笑顔だった。
『太陽くん』と言われているような彼だった。
「……俺の心臓、お前にならあげれたなぁ。」
そう言ってから、ある言葉を思い出した。
『心臓なしで生きられたらな。』
【梅雨】
梅雨は頭痛が激しくなるから嫌いだ。
微妙な天気に微妙な気温。嫌になる。
「ね、一緒に昼寝しよ」
「…時間的に昼寝になるけど、天気は昼寝じゃないな、」
「……眠い、」
「寝ろ。寝るために布団に入ったんだろ」
「抱きしめて」
「…ん」
「んへへ、あったかい…」
でも、梅雨は恋人が甘えてくるから嫌いじゃない。
【「ごめんね」】
彼の口癖は「ごめんね」。
何かあるごとに「ごめんね、気をつける。」とか
「ごめんね、ありがとう。」なんて。
そんな彼の口癖が気に入らなかった。
なんで悪いこと一つもしていないのに謝るのか。
でも、少しだけわかった気がした。
あれは彼なりの“誰も傷つけない優しさ”だ。
でも、時々疲れてしまうことなんて日常茶飯事。
【子供のままで】
「子供のままでいたい」
「…僕も」
「雨降ってる…傘持ってきた?」
「え、持ってきてないや…」
「…雨ってこんな冷たかったっけ」
「大人に近づくにつれ、身なりに気遣うから
雨に濡れなくなっちゃうんだよね」
「…お前はずっと雨に当たってんのかよ」
「…うん。雨に当たってるときだけ自分が
惨めに見えるんだ」