【あたたかいね】
「あたたかいね」と君が笑う。
だから僕も「うん、あたたかい」と笑った。
ある日を境に君と出会うことはなかった。
君を探そうとした。でも、多くの人が止めてくる。
君を探すために僕を捨てようとした。
そしたら君が現れてくれた。
「現実を見なよ」
気付けば目の前には殺された君がいた。
【飛べない翼】
みんな僕を置いてゆくから僕も必死についてゆく。
そのうち僕と一緒に歩んできた君を僕は置いてゆくんだ。
それが嫌だから今度は後ろを向こうとするけど
そんな余裕もないくらいに僕は忙しくなっていた。
みんな僕を置いてゆく理由がやっとわかった。
みんな自分で一杯一杯だったんだって。
みんな飛べない翼を今、作っている途中なのだと。
【脳裏】
君のことを思うと手が震えてしまう。
なんでだろう。考えても分からない。
“恋”だなんて、絶対に認めたくない。
だって今の関係が一番良いんだから。
それでも君のことを考えると胸が高鳴る。
隣に立ちたい、なんて思ってしまう。
なんて人、身近にいませんか?
【意味がないこと】
今日、初雪が降った。
結構積もって自転車登校は禁止になってしまった。
でも冬の間は親が学校まで送ってくれる。
帰りは歩きになってしまうけど…。
でも帰りは時々、君と帰れるから悪くない。
君の家の前まで行って少し立ち止まって二人で雑談。
途中まで見送ってくれる君に独占欲が満たされる。
「ダメって分かってるのに…馬鹿だなぁ、自分。」
【涙の理由】
あの日流した涙の理由は僕には理解できなかった。
恋愛報道が出てしまって、引退ライブをする僕ら。
報道が出たメンバーは、僕の相方として活動して来た人。
僕はその事実を知ったとき、凄く悔しかった。
悲しいより嬉しいよりめでたいより、ずっと醜い感情。
あの日言った言葉がライブ中でも脳裏に復唱される。
「アイドル卒業まで抜け駆けは許さないからな?」