【つまらないことでも】 ※医療関係,長文
「…あの方は、僕の神様だ。」
僕の先輩はいつもそんなこと言う。
昔、先輩には尊敬する方がいた。
ずっと怠けてるしみんなからの信頼はなかった。
でも、腕は確かだった。優秀だったらしい。
「…でも、僕がこの手で殺した。」
その方は、ある病にかかり先輩に命を委ねた。
結果は、失敗に終わった。
今まで動いていた心臓は、もう二度と動くことのない。
ピー…と言う心電図だけが手術室に響く。
先輩はその手で尊敬する方を殺した。
「ずっと後悔している。
いっそ死んだ方がマシなんじゃないかって。」
そんな先輩はその経験後、
一度も患者を死なせたことはなかった。
8/4/2024, 12:40:11 PM