あの人はすごく自分の都合の良いように物事を歪めて話すので真に受けないでください
私と誰かとの絆を裂こうとしていろいろやりますよ
なりすまして悪口言ったりね
私を孤立させて自分の言うことを聞かせるのが目的なので
だから私はあの人を嫌っているのです
手を繋いで
宇宙船の壁に開いた穴から宇宙に吸い込まれていく彼女の夢を見る。
敵の砲撃が運悪く近くに着弾し、衝撃と爆風の中でのことだった。
宇宙空間にポツリと漂っているであろう宇宙服の中の彼女を思う。
あの一瞬、差し伸べられた手を掴めなかったせいでもう永久にさよならだ。
破損箇所から侵入してくる敵との戦いに熱中するあまり、ついつい無茶をするようになっていたのかもしれない。
船外での戦闘中、あっと思ったときにはジェットパックを破壊され、宇宙空間に放り出されていた。
これまでかと観念したとき、手を取って救助しようとしてくる敵兵がいる。
混乱しつつヘルメットを覗き込むと、突如大爆発する敵艦の光に照らし出されて再会にはにかむ彼女の顔が見えた。
あとで聞いたところ、宇宙を漂っていたら敵に回収されたので寝返ったふりをして爆破してやったのだそうだ。
ナイス。
終わり、また始まる
背筋にゾクリと寒気がした。
見上げると、急速に不吉な色に染まっていく空に禍々しい巨大宇宙船が浮かんでいる。
そのことが示す意味を悟って一瞬フリーズする。
通信機の警報音で我に返り、家族に連絡を取ろうとするが通じない。
私の知らないところで何かが終わり、また始まったのだ。
かつて地球がエイリアンに適した環境に変えられてしまった時のように。宇宙に逃げ延びた人類がこの星で細々と積み重ねてきた歴史は終わり、これからはエイリアンのための歴史が始まるのだろう。
脱出ポッドで宇宙へ逃げたとして、その先に何があるのか。
もうこの世界に人類が安心して暮らせる場所はないのかもしれない。
絶望で動けなくなりそうな身体を無理やり動かして家族がいるはずの場所を目指した。
しつこくマウントを取ろうとバカにしてくる奴に腹を立て、うっかり自慢したら呪われてしまった。
腕に人面瘡ができて私の行動を監視しそいつの声で嘲笑してくる。そいつは私の欠点を並べ立てダメ人間と決めつけ私が傷ついて自信をなくすと人面瘡が広がってくるのだ。
完全に私の心が折れたときこの体は乗っ取られるのだろう。
早くそうなってしまえと、自分の方が上手くやれるのだとうそぶくがあいつ本体の人生が上手くいっていないことも知っている。あいつは私を使って人生をやり直したいのだ。
そんなものに侵されて気分の良いはずもない。
特に気分が悪いのは朝だ。悪い想像に心臓は浅く早く鼓動し石でも呑んだかのように下腹が重い。こうなってからずっと解呪の方法を求めることに時間と気力と金を使っている。なぜこんなことになったのか。あいつ自身は私からエネルギーを吸い取って上機嫌で実にムカつく。
ストレスに負けて動けなくなることを防ぐため運動してしっかり食べることを心がけている。今日もお好み焼きを作ってひらりひらりと舞うかつをぶしを重い心で眺めている。