『遠くの空へ』
遠い空の上にいるあなたへ
あなたがいなくなってから、まもなく十年が経ちます。あっという間の十年でした。
最後まで一生懸命生きようと頑張ってくれたあなたの姿を思い出すと、いまだに涙が浮かんでしまいます。
あなたに会いたい。
この気持ちも何年経っても変わらないようです。
きっと私が死ぬ時は、あなたに会えるといいな、と思って死ぬのでしょう。
でもその時、あなたに胸を張って再会できるよう、私もあなたのように頑張って生き抜きます。
たくさんの愛と勇気を私にくれたあなたに、心からありがとう。
愛してる、この言葉は再会できるその時までとっておきます。
それではまた。
『言葉にできない』
抱きしめた体の温もりに、愛おしさが溢れて溺れてしまう。
こんなにも愛おしい気持ちを表す言葉をオレは知らず、抱きしめる腕にただ力を込めた。
それだけでオレの想いは伝わり、同じくらい強い力が、オレの腰に回った手に込められる。
柔らかな痛みすら愛おしく、このままいっそ世界が終わればいいと、神に願った。
『春爛漫』
※BL
この言葉を聞いて、多くの人間が思い浮かべるのは桜の花だろう。
けれどオレの脳裏に浮かぶのは、あいつの笑顔だった。
そうだ、あいつを誘って桜を見に行こう。
『誰よりも、ずっと』
※BL
きみの一番近くにいたい。
名前はなんでも良かった。
友人でも恋人でも仲間でも、きみの一番近くにいられるのなら本当になんでも良かったんだ。誰よりもずっと、きみがそばにいることが幸せだったから。
それを素直にきみに話したら、
「友人にはできなくても恋人にならできることはある」
と手を繋がれた。
触れる温もりがくすぐったいけれど、嫌ではなくて、僕たちは恋人になった。
きみのことをそういう意味で好きなのか、正直分からないけど、触れ合うと心も満たされた。
だから、多分好きということでいいんだろう。
それも正直に話したら、
「往生際が悪いな」
と君が笑った。
『これからも、ずっと』
※BL 二次創作
すべてに絶望していた。未来を夢見ることもなかった。
生き残ることは何事にも代え難い喜びだったが、生きることは特別楽しくなかった。ただ死なないために生きていた。
退屈を忘れるには酒がちょうど良かった。酒を浴びるほど飲んでいる時は多少気が紛れた。だから好きでもない酒をずっと飲んでいた。
こんな退屈な日々がこれからもずっと続くのかと何もかも諦めいたある日、あいつが現れた。
すべてを燃やし尽くす豪奢な赤は、オレの退屈な日常をいとも容易く壊していった。
善人を絵に描いたようなヤツなのに、常識がまったく通じない。少し目を離せば、次から次へとトラブルを引き寄せるとんだ疫病神だ。あいつといると、退屈を感じる暇もなく、無駄に喧嘩をすることも、浴びるように酒を飲むこともなくなった。
こんな日々も悪くはない。生きていて初めて浮かんだ想いに、オレは初めて未来を夢見てしまった。こんな日常がこれからもずっと続くよう願ってしまった。あいつがいなくなるとも知らずに。