星屑

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6/27/2024, 2:39:02 PM

「ねぇ、ここではないどこかへ行きたいと思う?」

いつものように芝生に寝転がり空を見上げていたら。彼がふと思いついたかのように聞いてくる。
「、、、なんでそんなこと聞くの?」
考えもしなかった質問が飛んできて、私はすぐに答えることが出来なかった。
「本に書いてあったんだ。ここではないどこかへ行きたいって」
「どこかって?」
「んー、そうだな、、、。現在(いま)ではなく過去に行くとか」
そう言って彼は微笑した。なぜ?そう聞こうとして辞めた。彼があまりにも悲しい顔をするものだから。私はどう声をかければいいのか分からなくなってしまった。そんな空気を感じ取ったのか彼は言った。
「ごめん、変なこと聞いちゃったね少し気になっただけなんだ」そう言うとパッと顔を上げていつもの笑顔にもどる。そして何事も無かったように立ち上がり。
私に手を差し出す。私は迷いながら彼の手を取る。そして彼に身を任せ立ち上がって言った。
「私は、貴方といられるのならどこだっていいわ」と。

6/24/2024, 11:30:12 AM

1年後、僕と君はどうなっているのかな。今と同じく仲良くしていられるといいな。実はさ、君にまだ伝えられていないことがあるんだ。僕が本を読むと君は必ずムッとして頬を膨らませていたね。だから僕はわざと本を読むふりをして君から目を離すんだ。そうすると君は地団駄を始めて僕が本に集中出来ないようにしていたね。君は知らないだろう?僕はそんな君が愛おしくて大切なこと。今はまだ恥ずかしくて言えないけれど、いつか君に伝えられるといいな。

6/23/2024, 12:20:03 PM

拝啓幼い私へ、
子供の頃は、我儘ばかり言って大好きな人を困らせてたわね。本ばかり読んでいるからと、本に嫉妬してムッとしかめっ面をしたり、彼の腕を急に引いてみたり。ふふっ、今でもあの頃を思い出してはクスッと笑いたくなってしまうのよ。当時はすごく楽しくて、幸せだったわよね。でもね聞いて、今とても後悔しているの。彼が好きだと言ってくれた笑顔を彼にもっと見せてあげればよかった。当時は気づかなかった彼の気持ちにもっと早く気づいてあげれば良かった。ダメね、この歳になって後悔だらけ。でもね、どうしてもあなたに伝えたかったの。同じ時間はもう二度とやってこないの。後悔しない人生を生きろとは言わないわ。でも、叶うなら彼を大切にして欲しい。だってこの世にたった一人しかいない私の愛した人だもの。
80歳になった私より

6/23/2024, 5:44:36 AM

目の前にはどこまでも広がる青い空。耳をすませば子供の楽しそうな声と、自転車でかける風の音。僕は、生い茂る草の上で、土の香りを楽しみながら本を読んでいる。暗い影が落ちてきて、ふと本から目を離すと。少しムッとした表情の君がいた。僕は、ごめんと笑いながら本を閉じる。君は強く僕の手を引く。風に背中を押されるように僕も立ち上がる。そして、大好きな君と今を駆ける。それが僕の日常