言葉はいらない。ただ…
母が亡くなった。病死だった。
タイトルにもなっているこの言葉は、母が亡くなる寸前遺した言葉だ。
天国への階段をゆっくりと登っていく、亡くなる前の母を見て涙が止まらなかった。
「ごめんなさい、ありがとう、、」ってずっと言いながら号泣していた娘を目の前にして、母はどんな気持ちだっただろうか。
亡くなる時、あまりにも泣きすぎたせいで、鼻がつまり、耳も詰まった。聞こえにくくなっていたから最後まで言葉が聞こえなかった。
その時、私は酷く後悔した。あの時少しでも涙を堪えていれば、あんなに泣かなければ。と自分を責めていた。
でも、その先が酷く恐ろしいことであり、すごく何気ないことだったら。そう今は考えて、自分を責めないようにした。
泣くのが嫌だったり、泣き虫だと自分を思ってるキミへ。
泣いても大丈夫だよ。生きるのが辛くなったら探して読みに来てね。
12年しか生きていない小6より
私の日記帳
亡くなった母の日記帳。
少し興味を持ったので開いて見て見た。
書いた日付けとともに、内容が書いてある。
私が生まれた年まで遡った。
妊娠中期の所で、マタニティーブルーだと考えられる文章を見た。
「なんで妊娠なんか望んだんだろう。こんな辛いものとは思わなかった」
涙が落ちたようなページに書かれていた。
字も少し崩れていて、ページだけでとても辛かったのが分かる。
そして、私の生まれた日の日記を見た。
「やっと産まれた。絶対に守る。私の大好きな子供 ♡」
母は生前、手紙などに♡を付けることがあった。
それだけで母を思い出して、また泣き出しそうになった。
私は、母のまだ残っているLINEにメッセージを送った。
「天国で安らかに。いつでも大好きだよ。見守っててね」
どうせ返信は来ないけど、期待してしまった。いや、期待したかった。
数日後、LINEにひとつの通知が届いた。
「ありがとう。」
一言だけだった。たったその一言だった。
とても嬉しかった。感謝の一言だけでこんなに嬉しかったことはこれまでに無かった。
驚き、怖さ、そんなの無かった。感動で涙が溢れ出た。
「次は私が、日記を綴ります。」
その言葉で、日記を今日から始めた。
私、もう小6です!!!
向かい合わせ
いつも電車の向かいあわせの席に同じ女の子が座っている。
自分はいつ見ても女の子がいることが不思議だった。
2回ほどはあっても毎回などおかしい。
なぜあの向かいあわせの席に執着しているのだろう。
ある日私は遅刻してしまった。
学校に遅れてしまう、遅延証明書でも貰わないと。なんて考えていたその時、
血が飛び散り、電車が何かを轢いた音がした。
みんなが驚き顔を覗き込む。
グロい動画などをよく見ていたので、少し私も見て見た。
向かいあわせの席の子に制服も、髪型も見る限り似ていた。
手には紙か何かを握っているように見えた。
白紙のようだが、何より血が全体的にかかっていてわからない。
その子がこの学校の子だとわかった時、持っていた物も全て出された。
血は酸化して、茶色く変化していた。
私はその紙に書いてあることが知りたくて、手に取って見て見た。
「付き合ってください」と告白の文字が綴られていた。
見えたのはたったそれだけ。ちょうど名前の所は血がかかっていて見えない。
あなたはこの話から何を考えましたか?
神様だけが知っている
神様だけが知っていることってなんだと思う?
やっぱり生死のこと、好きな人と結ばれるとかって神様しか知らないよね。
そう思ったり思わなかったりするけど、
神様ってほんとに実在するの?
無神論者なんて言葉もあるし、神様はいるってそんなきっぱりとは言えないけど、私は信じてる。
だって、川の向こうにいたんだもん。
変わらないもの
変わらないものは無い。今でも時間は進む。
もう2023年は終わるし、どうせまたすぐ2025年になる。
予言なんて信じられない。ただの偶然。
もし変わらないものがあっても、不気味でたまらない。
「人間は知らず知らずのうちに変わることを願っているのかもね」